無料ブログはココログ

« 韓国オフ会 | トップページ | カリソメ乙女 »

2006年11月27日 (月)

「香乱記」

本が好きで常に読んではいるのですが、連続して長時間、一気に読破する事はありません。また数冊いっぺんに平行して読んでいる場合も多く、読み終わるのに長期間要します。長編では1年を越えてしまった場合も・・・。(笑) 昼休み時間以外では、列車移動での時間が読書に当てられます。土曜の韓国オフ会出席上京での車内で、宮城谷昌光著「香乱記」を読み終わりました。面白く読みましたが、これも5ヶ月もかかっています。

宮城谷作品は結構読んでいます。古代中国歴史物が好きなのですが、諸葛孔明始め歴史の英傑、作者により歴史の見方により、描かれる人物像には違いがあります。三国志でも、日本では蜀(孔明・劉備・関羽・張飛)中心で描かれたものが一般に知られていますが、これは吉川英治作品があまりに有名なせいでしょう。陳瞬臣は魏(曹操等)からの見方で書いていますし、伴野朗は呉(孫権等)中心の物語を書いています。古代物では、確実な情報の少ない分、作者の想像を働かせる事のできる範囲が広く、その面でも面白さもあります。時には吉川本三国志を「歴史・史実」として捉えてしまう方をも見受けますが、あくまで歴史”小説”である事は忘れてはいけないでしょうね。

「香乱記」は秦末の動乱期を描いた作品ですが、主人公は漢帝国を造った劉邦でも稀代の英雄項羽でもありません。戦国時代の斉国王の末裔「田横(でんおう)」です。物語では、残虐無比の項羽と陰謀と変節の劉邦、その争いの渦中で正義を貫き倒れた信義の人として描かれています。宮城谷昌光という作家、教科書には載らない、歴史の脇役たる人物、士会とか華元とか、そういった人物の発掘・紹介にも力を発揮する作家です。またそういった作品には独特の魅力を感じさせます。知られていないだけに余計、作者の想像力を理想を盛り込める、そんな一面もあるのかも知れません。香乱記での田横、実際に描かれた通りの人物であったかどうかは誰にも判りません。しかし、中国の人口を半減させたとも言われる楚漢戦争の最中に、力に屈しない一条の光を描こうとした、作者の思いは強く感じられる作品でした。

香乱記〈1〉 Book 香乱記〈1〉

著者:宮城谷 昌光
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

« 韓国オフ会 | トップページ | カリソメ乙女 »

中国」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

http://faq.at.webry.info/200606/article_2.html#1

御存知でしょうが
最近多いようですね
余計なお世話なら削除してください

私、小説を読むのが非常に苦手でして(苦笑)、それでも『深夜特急』と『商道』だけは頑張って読みましたw
特に人の名前とかその関係を覚えるのが不得意で、途中からもうワケが分からなくなってしまうんですよね。小中学生の頃など、国語の時間はいつも大変でしたよ。読書感想文で嫌いになったという噂もチラホラ。

でも、最近よく言われる『活字離れ』とは、またちょっと違うような気がしているんですよね。そりゃ、諸葛さんが読まれる冊数に比べたらはるかに少ないですが、それでもビジネス関係(MBA)とか野球とか言語学の本なんかは眺めてますし、決して読書そのものは嫌いではないんだと思います。

あ、全然関係ない話ばかりでスミマセンでした…。でも、本は移動時間を活用出来るのが良いですよね。フライトの時にもよくお世話になります(私は基本的に乗り物には酔わない)。

>無印良品さん、
ありがとうございます。スパム対策には苦労します。

>エーケンさん、
いや私も、少しはビジネス関係にも目を通さなくてはいけないのですが、どうも手が伸びません。中国古代もの好き、ある意味では現実逃避かも知れません。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/113356/4332336

この記事へのトラックバック一覧です: 「香乱記」:

« 韓国オフ会 | トップページ | カリソメ乙女 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31