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2007年1月18日 (木)

「夏物語」

新宿厚生年金会館での、”「夏物語」プレミアム”に行ってきました。ビョンホンペンの家内、韓流サミットも東京ドームでのビョンホンファンミも、特別の苦労無くチケットを入手できたのですが、今回はファンクラブ枠抽選も外れ、あちこち手を尽くしたようです。半ば諦め気味でしたので、当選通知には興奮していました。かなり競争率は高かったようです。

夫婦共々、仕事を早退しての上京、会場の周りは中年アガシに満ち溢れていました。(笑) 開演時間(18:30)を数分遅れての開始、司会女性の紹介の後、舞台にはドライアイスの煙が立ち込め、せり出し舞台に乗って主演のお二人が登場しました。映画舞台挨拶にしてはかなり派手な演出です。監督も(普通に)登場、後半には日本版エンディングテーマを歌った藤井フミヤも交えて、インタビューが行われました。ビョンホン氏、「若い頃聴いていてファンでした。」とかおっしゃっていました。社交辞令ではあるとしても、チェッカーズの知名度は意外とあるものです。「ジュリアに傷心」が、カントリーコッコの歌で韓国でもヒットしています。

映画内容ですが、できるだけ詳しい内容は省いて、ネタバレ少なめで書きます。それでも、「まっさら状態で公開を待ちたい。」お方は、下記文章、読むのは暫しお控え下さい。

夏物語 Book 夏物語

著者:上之 二郎,チョ グンシク,キム ウニ
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

最初から結論ですが、「惜しい・・・」作品であると感じました。内容も演技も撮影も音楽も、申し分ないレベルです。しかし作品としては感心しません。韓国での不評も納得できます。日本ではビョンホニー固定層で、そこそこの集客は見込めるのでしょうが、まともなヒットは望めないと思います。日本の”韓流ファン”を意識し過ぎたのか、興行サイドからの要望なのか、折角の素材を台無しにしています。編集段階での大失敗に思えます。

序盤の2人の恋愛描写が長過ぎメリハリに乏しく厭きがきます。これも、後半の悲劇との対照を際立たせるための手法と辛抱していましたが、肝心な後半は語り切れず、あっさりと終わってしまいました。主題の重きの置き方を完全に間違えています。軍事独裁政権下での不合理を、安手の韓国メロドラマでの不自然な交通事故や不治の難病と同じレベルで扱ってしまっています。その時代の、逃れられぬ絶望的な束縛の重みを、都合のよい悲恋の道具として使ってしまった気がします。描くべきは「悲恋」では無く、悲恋に導いてしまった時代背景だと思うのですが・・・。日本で当たった韓流メロドラマを意識して、その再現を狙ったのでしたら、大変な思い違いです。これでは韓国映画は、(個人ファン以外の)映画ファンから見捨てられてしまいます。

作品の時代背景は、1969年から始まるそうです。日本での東大紛争、安田講堂攻防戦が1968年です。しかし日韓には違いがあります。当時の韓国では、独裁政権による反共キャンペーンが激しく行われていました。共産主義を啓蒙し、北朝鮮を”理想国家”と崇めた日本の学生運動、そのまま韓国に持ち込めば、スパイ罪で即逮捕されます。スパイ罪は国家反逆ですので”死刑”です。日本に留学し、帰国後にスパイ容疑で逮捕、拷問を受けた学生、そういった事件もあった時代です。

韓国人には”当然の認識”として判る事柄ですので、描写を省略したのか?スエの父親に関しても、臭わせるだけで詳しい説明はありません。当初から日本での公開を前提に作られた作品のはず、省略してよい部分であるはずはありません。単なる悲恋映画にしてしまった事は、返す返すも残念です。テーマの重きの置き方が異なれば、ビョンホン氏の代表作にも成り得た内容であったようにも思います。

イ・ビョンホン、さすがに20歳そこそこの学生には無理もありますが、「最近ちょっと老けた?」との思いを払拭させるだけの雰囲気は醸し出しました。スエの自然でアクの無い演技にも好感を持ちました。「王の男」にも出演している チョン・ソギョンは、味のある演技で深みを持たせます。会場2階席中段での鑑賞でしたが、2階席前部中央は芸能関係者席らしく、高見エミリ、高島礼子、メイクアップアーティストのIKKKOやマツケンサンバの振り付け師の真島茂樹など、芸能関係者の姿が目立ちました。

Music 夏物語 OST (韓国盤)

アーティスト:韓国映画サントラ
販売元:KM
発売日:2006/12/05
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このOSTは、年末年始訪韓時に、ソウルで買ってきました。

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コメント

”説明不足”で書き忘れていた事がありました。話の出だし、「何故教授の会いたい人を探すのか」ですが、韓国ではそういった人気番組があるのです。TV局で探し出して感動の再会を演出する番組です。これも、日本ではもう少し説明が必要だった気がします。

話は違いますが共演で、「大長今」のヨリと「冬ソナ」のチンスクも出ていましたね。

諸葛亮さま、こんにちは。

試写会の模様、アップしてくださってありがとうございます。

わたしのまわりで顔の見える範囲の友達は全員全滅でした。

諸葛亮さまの他、ネットチングの中には何人か行かれた方がいますが・・・

ところで、ビョンホン氏のファンミ、武道館ではなく、東京ドームですので、訂正願います。

「夏物語」きびしいご意見ですが、実はわたしもあまり期待していないんです。(ビョンホン氏ファンの前では大きな声でいえませんが・・・)

彼にはもっと大きなスケールの映画に出てもらって、興行的にも成功する映画を撮ってもらいたいなあと思っています。

昨今は、期待しすぎてがっかりした映画が多いので、今回はあえて期待せずに見に行こうと思います。そうすれば、そこそこ満足できるかも。

失礼致しました。「東京ドーム」に訂正致しました。

彼はどうも、エンターテイメント的な娯楽映画は好きではないようですね。彼の現在の立場でしたら、興業的に成功しそうな作品を選ぶ事は可能かと思います。敢えてそれをしないところでも、彼を評価しています。興業的成功は別にして、映画史に残る作品を撮って欲しい思いはあります。その点での「惜しい・・・」という私の評価です。責任はすべて監督にあると思っています。素材的には、「映画史に残る作品」になる可能性はあったように思うのです。ですので決して悪い作品とは思っていません。返す返すも”惜しい”のです。

一般公開初日の今日、家内は2度目、私は再度観る気が起こりませんでしたので「マリーアントワネット」を観ました。家内の感想は「前より泣けた」でした。ノベル本を読み始め、私からの時代背景説明を受けての2度目です。やはり映画だけでは時代感覚が掴めず、主人公達の置かれた立場がよく理解できないのだと思います。予習しないと感動できないようでは、やはり映画作品としては不出来なのだと思います。

諸葛亮様、初めまして。

某所コメント欄にて 深い洞察力のもと書かれたコメントを拝見、ここへやってまいりました。

韓国という国は、歴史的汚点として この時代を振り返ること自体を避けているような気がするのですが。気のせいでしょうか?

話は少し逸れてしまいますが・・・
「純愛中毒」は義理の姉と弟の恋愛を描いたものでしたが、韓国社会ではこれはタブー。たとえ血は繋がらなくとも義姉弟は家族であり、恋愛の対象としては考えられないらしい。戦前の日本では従兄妹同士の結婚も合法でしたが、これは彼らにとっては「畜生」の行いとして軽蔑されていたのだとか。

この映画の最後で、身ごもったヒロインは 生まれてくる子供のために 知ってしまった事実を全て呑み込んだ上で義弟との生活(世間的には厳しい目で見られることも覚悟の上で)を選んだのだと思っていました。ところが、エンディングソングが「私の愛を返して」であり、義弟のテジンに背を向けているような歌詞だったのです。
加えて、エンド間際のシーンに テジンが自分の作った作品を彼女に説明しているところで「これは不思議の国のアリス」「こっちは天国の門。死は思ったよりも辛くは無いということ」と言っており、2人の間に生まれてくるはずの子供の死とテジンの自殺を匂わせるようなセリフもありました。

すっかり混乱してしまってノベライズ本を買って読みました。そこには 全てを知った上で義弟を許し2人で生きていこうと覚悟を決めた兄嫁の姿が描かれていました。
ここで得た私なりの結論は、この監督は国民からの非難をかわすために映画では自分の主張をぼかしてしまったのだ、ということ。
その後、東京国際映画祭で来日されたときの記者会見での監督のインタビューが とあるウェブサイトに載っていまして、「2人はこの後幸せに暮らしたと私は思いたい」と発言されていたんです。

今回の「夏物語」も、歴史的汚点として あの時代のことは忘れ去ってしまいたいという国民感情に 敢えて挑戦する勇気がこの監督には無かった。そのように思えてなりません。
しかし、これを乗り越えなくては世界に通用する映画にはならないと思うのです。
ノベライズ本を読まなくては分からないような映画、通常版・DERECTOR'S CUT 版などといくつものDVDが出るような作り方はやめて欲しい。最初から「これで勝負!」という唯一のもので現れて欲しいと痛切に思うのです。

長々としたコメントで、誠に申し訳ありませんでした。

諸葛亮様、こんにちは。
あちらでの早速のお返事 ありがとうございました。 

1つ訂正いたします。

『純愛中毒』のパク・ヨンフン監督の 記者会見での発言は、
「シネマコリア2003 『純愛中毒』Q&Aセッション」と題されて、

日時:2003年8月31日(日)
場所:草月ホール

で行われたものでしたので、東京国際映画祭での来日時ではありません。
これは『誰にでも秘密がある』で、勘違いしておりました。
スミマセン。 (^_^;)アセアセ

少しでもお答えしてから出かけようと思ったのですが、片付けなければならない仕事もあり、時間が足りません。面倒な問題ですので、焦っては中途半端な文章になってしまいます。今夜は東京泊まりです。明日夜に帰ってから、新記事としてゆっくり書き込ませて頂きます。お待たせして申し訳ありません。

諸葛亮様

この度は、韓国物に対する深い造詣をお持ちで 意見が私と殆ど同じ方を見つけた嬉しさに(!) 思わず 日頃感じている本音を口走ってしまいました。(笑)
私はイ・ビョンホンさんは大好きなのですが、どうも彼の映画には いつも気になる点がありまして・・・。

かなり過激な言葉も吐いたので ご迷惑ではなかったでしょうか? それが心配でございます。
その場合は、どうぞご遠慮なく 私のコメントを削除して下さいませ。

新しい記事としてUPして下さるそうで、とても嬉しく 楽しみにお待ち申し上げております。

お忙しいところ、本当にありがとうございます。<(_ _)>

>ノベライズ本を読まなくては分からないような映画、通常版・DERECTOR'S CUT 版などといくつものDVDが出るような作り方はやめて欲しい。最初から「これで勝負!」という唯一のもので現れて欲しいと痛切に思うのです。

東京のネットカフェからです。ノベライズ本というものの存在が理解できません。原作小説があっての映画化は解りますが、映画の脚本の小説化に何の意味があるのでしょう?あくまで映像で勝負すべきだと思います。ノベライズ本販売戦略も含める、商売戦略なのでしょうか?本をも買わせる為に、敢えて不十分な表現にしているのかとまで疑ってしまいます。ま、おそらくは単に、監督の力量不足なのでしょうが。

”韓流”以降、商売が先に立っての、作品の質の荒さが見える気がします。「どうせ商売にならない」時代の、観客に媚びない姿勢に戻って欲しいと思います。「夏物語」は韓国版の上映もあるとか。「誰ヒミ」も韓国版の方がずっと良かった。韓流フアンを意識しない韓国版にも少しは興味も沸きます。もっとも韓国では、日本以上の興行的失敗だったようですが・・・。

ロッキー様、

[ノベライズ本を読まなくては分からないような映画、通常版・DERECTOR'S CUT 版などといくつものDVDが出るような作り方はやめて欲しい。最初から「これで勝負!]

↑↑↑

まさにそのとおりですね。全く同意見です。
今回、ノベライズを読んでようやく納得し、また見に行きましたが、まんまと販売戦略に乗せられてしまった感があります。

☆メープルシロップ様

初めまして。

そういう商法に抵抗を試みてはいるものの、誘惑に負けて つい買ってしまう自分が情けないです。(笑)

ああいう商法は、本当は 彼らを取り巻く日本人による「日本式商法」なのかもしれませんが、私らの目からすると「韓国式商法」に映ってしまいますね。


☆諸葛亮様

場所をお借りして 横レスさせていただきました。
済みません。

確かに”韓流”は韓国商法に大きな影響を与えました。元々”タレントグッズ”という物を作らない国でした。ファンクラブはファンが作るもの、ファンミーティングもファンのボランティアに支えられ、必要経費以外無料、というのが原則でした。それを「儲かる商売」と教えてしまったのが”韓流”ですね。

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