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2007年7月17日 (火)

円安ウォン高・韓国”神話”

最近韓国旅行掲示板で「ウォン高(円安)」を嘆く声がよく聞かれます。「早く解消されて欲しい」と望む声も。しかし果たして解消されるのかなぁ?というのが私の思いです。もちろん、レート面での多少の変動はあるでしょうが、「昔の状況に戻ることは無いだろう」というのが私の見方です。

少し前では¥100≒W1,000という時期がありました。概算も簡単で便利でした。今では¥100=W740前後で推移しています。今まで100円で買えていた物が130円位になるわけですので、確かに割高です。しかしこれ、以前も同程度のレートの時代もありました。しかしその頃はそれでも、「韓国は安い国」でした。当時は、レート以前に一般物価水準が大きく違ったのです。同じ10,000ウォンでも使い勝手が違いました。日本の普通のサラリーマンでも、あちらでは”お金持ち”で居られた時代です。日韓賃金格差も大きく、日本の企業も競って韓国に進出していました。当時は繊維服飾関連企業の進出が多く、賃金の安い韓国で製造して日本に輸入していました。ですので年配の繊維系中小企業主は韓国に詳しい人も多いですね。(笑) 運動靴の”アキレス”も、当時は韓国で製造して逆輸入していました。

それがその後、韓国も急速に経済発展して、人々の生活も豊かになり賃金も上昇しました。韓国に進出していた企業も撤退、より賃金の安い中国・東南アジアへシフトして行きました。「韓国で運動靴を買うと安い」という話を時に聞きます。これは前記”アキレス”もそうですが、”ナイキ”等も韓国で生産していたせいです。今では”ナイキ”も撤退しています。韓国で販売されているブランドシューズも、日本同様中国やインドネシアからの輸入品になり、(日本と比べての)価格的優位さも無くなっています。こういった、過去の状況を元にした、実態の無くなってしまった”神話”は幾つか残っています。

「韓国は安い」という”神話”、確かに一部では実情もまだ残っています。交通費は安いですね。それも近年短い周期で値上げが繰り返されていますので、近い将来には、その差も小さくなってしまうかも知れません。貧富格差が大きいですので、職人賃金は安いですので、国産繊維製品や革製品オーダーメイド等では、まだ日本よりはお得です。しかし過去神話での「安い」を拡大解釈誤解されている方も少なくなく、何でもかでも安いと信じてしまっている旅行者も見かけます。特に”輸入品”では、韓国は安い国ではありません。輸入関税が高いですので、高級外車(ベンツ等)は日本より3割以上も割高になるようです。バックや衣料品などの高級ブランド品でも、決して安いとも言えません。免税店は「税金が免除になる店」であって、必ずしもディスカウント店ではありません。流通機構が整備されていませんので、日本のアウトレット店で買った方が安いケースは多々あります。中には「資生堂製品は?」とか聞かれる方も居ます。日本製品は日本で買うのが安いのが通常です。輸入品となって輸送経費がかかり関税がかかって、それで安くなりようがありません。これはよく考えれば判る事です。

「市場が安い」というのも、徐々に”神話”化する傾向も見られます。市場は元々定価の無い世界です。業者と一見客では当然違いますし、買う数量・金額でも交渉の仕方によっても異なります。そこに遅ればせながら韓国でも”流通革命”が始まり、大型スーパーが次々に開店しています。薄利多売の市場商売ですが、扱う数量では財閥系大型スーパーの比ではありません。若者層では、面倒な値切り交渉を嫌ってスーパーで買い物する人も増えているようです。日本で八百屋・魚屋等の○○屋が消えてしまったように、もしかすると、韓国の市場文化も衰退する運命が待っているのかも知れません。

韓国”神話”の最たるものはやはり「焼肉」でしょう。「韓国は焼肉の本場!安くて美味い!」確かに昔はそうだったのでしょう。韓国でも牛焼肉は高級品です。接待や特別のお祝いの時の料理です。その高級品も、物価格差の大きい日本からの訪問者には手頃な価格帯でした。特に当時の日本ではまだ格安チェーン店など無く、牛焼肉は庶民には手の届かない高級品でした。その状況では確かに韓国での牛焼肉は魅力有る食品だったのでしょう。しかし今や状況は大きく変わっています。また日韓での肉質の好みも異なり、高級韓牛と高級和牛は、異なった価値観で選ばれたものです。それで「高いのに美味くなかった・・・」との感想も多くなってしまいます。日本的感覚で言うならば今では、「安くて美味い!」牛焼肉は、「日本にある」と断言しても良いと思っています。過去の”神話”を今でも宣伝材料に使う旅行社・マスコミには、常々不信感を感じています。

思えば、私の若い頃では$1=¥360の固定相場でした。それが今では120円台の時代です。アメリカからの旅行者にとっては、レートだけでも3倍です。しかも昔は「日本は物価の安い国」、日本は今の中国の役割を果たしていました。今の若い方には信じられないかも知れませんが、日本製品が「安かろう悪かろう」と言われた時代もあったのです。米国人にとっての日本の変遷は、日本から見た韓国以上に大きなものだったのかも知れません。

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コメント

多くの旅行者が、韓国で物価に置き換えられない価値を発見する事を願っております。

僕らの世代は、諸葛さんの仰る、まさに「¥100≒W1,000という時期」に育ったので、韓国はそれが当たり前だと思っていました。なので、今はハッキリ言って、「韓国高くなったなぁ」と溜息しか出ない感じです。これは理詰めで説明されても無理で、高いものは高い!としか言いようがないという感覚ですかね。

ただ、そうは言っても、実際「安い」のは、御指摘にもあるように地下鉄やバス・タクシーなどの交通料金ぐらいで、あとは然して変わらないような気がします。強いて挙げるとするなら、プロ野球の観戦チケットは安い!まぁ、これは日本が高過ぎなのかなという気がしないでもないですが、韓国の場合は一番高い席でも2000円ぐらいなので、これはやはり安いと評価していいと思います。
あと、高速バスって安くて意外と便利ですよね?私も数回使ったことあるんですが、大邱からソウルまでが確か20000ウォンぐらいで、日本に比べたらかなり安かった気がしました(物価比を勘案する必要はありますがね)。

余計なものまで盛り込み文章が長くなりましたが、「高くなった」事を否定しているわけではありません。その要因です。レートばかり問題にされますが、私は”物価差”が主要因だと思っています。

バブル期、日本ではどんどん物価が上昇しました。寧ろ値上げした方が(良質な商品とのイメージで)売れ行きが良くなった程でした。その時期に、元々あった日韓物価差は更に広がり、「韓国は安い国」になったわけです。それが昨今では逆、日本はデフレ気味の時代が長く続き、韓国では物価上昇、その差は一気に縮まりました。円安解消で¥100≒W1,000時代に戻ったとしても、数年前以前の物価差状態に戻る事は無いと思っています。

ただ、日本が辿ってきたと同じ状態、流通革命が韓国でも興り、スーパー業界の拡大等での物価下降はあるでしょう。牛角のような格安焼肉チェーン店も出現するでしょう。しかしそうなると、私にとっての韓国の魅力は半減します。物価差が無くなっても良いから、今のままの韓国であり続けて欲しい、というのが私の我侭な願いです。

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