「中国美人伝」
いつも何冊かの本を平行して読んでいるのですが、最近は読書に費やす時間はほんの僅かです。ですので、読み切るのに何ヶ月もかかってしまう場合もあります。(笑) そんな中、上京等での電車内は読書のはかどる時間帯です。昨日の上京、東京事変ライブのためでしたが、その車中で読み終わりました。陳舜臣著の「中国美人伝」です。
女性の、歴史の表舞台で活躍する機会は少ないですが、そんな女性にスポットを当てた短編集です。小説新潮に不定期連載されたものを纏めたものだそうです。「西施」「卓文君」「王昭君」「皇后羊献容」「薛濤」「萬貴妃」「董妃」の7作品が収められていますが、名を知っていたのは西施と王昭君だけです。王昭君は、彼女を主人公にした小説を読んだ事がありますが、有名な西施でも、”傾国の美女”として、歴史のあだ花、脇役として登場するだけでした。そういった女性達を、意思を持ち心を持って人間として”活きた”存在として描こうとした作品群のようです。「西施は死んでいなかった」との設定は、現実には無理でしょうし、”薄幸の美女”への後世からの”願望”なのでしょう。他の女性達に関しても、歴史に残された足跡はごく僅かでしょうから、多くは作者の創作・推理推測なのでしょう。しかしだからこそ、歴史小説家として自由に発想を膨らませる事のできるテーマでもあるのでしょうね。そのせいか、常の作者に比べても、より活き活きと発想を展開させているようにも感じました。楽しく読み切ることができました。
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中国美人伝 (中公文庫 ち 3-41) 著者:陳 舜臣 |
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