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2008年2月 4日 (月)

「それでもボクはやってない」

遅ればせながらDVDレンタルで観ました。評判通り、いや評判以上の作品に思えました。ブルーリボン賞で監督賞・主演男優賞、報知映画賞で作品賞・主演男優賞を受賞しています。日本アカデミー賞でもノミネートされ、本場アカデミー賞にも、日本を代表して外国映画賞部門に出品されています。本場のものは兎も角、日本アカデミー賞でも何らかの賞は取るでしょうね。主演男優賞は堅いと思います。作品賞はやはり「キサラギ」との争いでしょうか? 発表は2月15日です。話は別ですがこちらには、私の敬愛する椎名林檎嬢も、音楽賞でノミネート(優秀賞受賞)されています。単に作曲家としてでは無く、”音楽監督”としてのノミネートですからすごいです。こちらにも注目したいと思います。

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さて作品ですが、身近に起こり得る災難ですので、下手なホラーよりずっと恐ろしい・・・。私も実は、大学は法学部でした。あまり勉強もしませんでしたが、大学で得た一番の知識は、「法は正しい者を守るわけでは無い、法に長けた者を守る。」との法則?でした。優秀な頭脳を持つはずの弁護士・検事・裁判官でも、”神のみぞ知る”真実には容易に辿り着けません。現実には、親も友人も支援者達も、被告の言を100%信じる事は難しいと思います。”作られた”ストーリーですので、観客は”真実”を知った上で映画を観ています。ですので、遣り切れない思いを感じ「不当だ!」と憤ります。しかし現実には、「騙されまいとする」のは裁判官だけではないでしょう。映画以上に重く複雑な思いが交錯するはずです。

主演の加瀬亮は私と同じ名前の「亮」ですが(笑)、自然にリアルに普通な演技をしています。フリーターの金子徹平という、平凡な男性そのものに思えます。演じている事を感じさせない、一番難しい演技技術です。いやもう”技術”でも無いのでしょうね。今後の楽しみな俳優さんです。

昨年の映画興行収入ランキングでは、1位が「パイレーツ・オブ・カリビアン」、2位「ハリー・ポッター」で3位に邦画1位の「HERO」が入っています。「それでも~」は邦画部門の28位、「大日本人」にも負けています。上位作品を見てみますと、罪の無い、というか、その場限りの娯楽作品が目立ちます。映画は娯楽、確かにそうなのですが、それだけで良いのか?という思いも残ります。遊園地の絶叫マシンもそうですが、刹那の刺激に身を委ねる傾向が、年々強くなってしまっている気もします。韓国映画もそうですが、リアル感の無い、難病もの不幸ものが増えています。”韓流”以前の記念碑的作品「八月のクリスマス」も、主人公は病に倒れます。しかしこれは”難病もの”ではありません。人間を真摯に見つめた作品です。その辺りをしっかり見極めた作品作りをして頂きたいですし、観客にも、刹那の娯楽だけで無い何かを、映画作品に見つけて頂きたい気がします。

最後に付け加えます。今回は”冤罪”を主題にした映画ですが、逆もあります。少し前までは、痴漢被害での被害者への無理解も訴えられていました。この作品は冤罪の怖さを描いたものであり、痴漢犯罪を描いたわけではありません。一番悪いのは、痴漢犯罪を行う側である事は変わらぬ事実です。そういった輩のいるせいでの冤罪でもあります。

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コメント

> 映画は娯楽、確かにそうなのですが、それだけで良いのか?という思いも残ります。

普段殆ど映画を観ないエーケンですが、確かにその通りだと思います。と言いながら、こないだ超久々に映画館へ見に行ったのが「ビーン」だったりするわけですが(笑)、これは映画というよりも元々ビーンそのものが好きだったに過ぎないので、映画を見に行ったという感覚ではなかったですかね。

それは兎も角、まぁ当たり前のことですが、良い映画(何を以って良い映画とするのか難しいが)と興行収入とは必ずしも比例はしませんからねぇ。社会派だと、10数年前のルワンダ紛争を描いた「ホテルルワンダ」などは、作り話であって欲しいと思わずにはいられないほどのシーンの連続で、太平洋戦争などと違い、我々がまさに生きている今、ああいうことが起こっていたのかと部分で、是非色んな人に見て貰いたいと思うぐらいです。余りに凄すぎて、涙も出ませんよ。因みに、この作品も元々興味があったわけじゃなくて、ERに特別出演していたドン・チードル氏が主役だったので、それでたまたま見たんです。偶然でした。

> リアル感の無い、難病もの不幸ものが増えています。

やっぱ描き易いんでしょうかね?まぁ難病は難病で良いんですが、実際にその病気で苦しんでいる方のことを考えると、お涙頂戴だけで安易に取り扱って欲しくないなぁとは思います。

高校までは融通の利かない”芸術至上主義”で、直木賞作品は下に見ていた傾向がありました。今はそんな事はありませんので、娯楽作品もコメディも観ます。寅さんや釣りバカは良質な作品だと思っていますし、最初のスターウォーズにはトキメキました。ただやはり、娯楽大作の中には、底の浅い作品も多いように感じています。

TVでのドキュメント番組で映画プロデューサーが言っていました。映画の成功で一番大事なのは(作品の質では無く)”宣伝”だと。確かに、どんなにガッカリした作品でも、観てしまえば動員数の1人に数えられてしまいます。「観客動員100万人」とか言う作品でも、満足した観客がその内何人居たかは判りません。映画宣伝の「面白そう!」に、騙された観客も少なくないかも知れません。私も何度か騙されました。ですので、興行的成功と作品の質は一致しないのですね。主題から外れた、インパクトの強いシーンで強引にイメージ作りをする宣伝映像、商売とは言え自尊心は無いのでしょうか?(怒)

難病悲恋物ですが、「ストレス解消の為に泣きたい人」の為に、その需要に沿って作られているように思います。需要に沿う事は資本主義の原則ですので仕方が無いのか・・・。そのような作品には事前に、「泣きたいお客様専用・(注)内容はありません」と注意書きしておいて欲しい。間違って観てしまわぬように。(笑)

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