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2008年11月10日 (月)

「ブーリン家の姉妹」

興味を持ち楽しみにしていた作品です。私が歴史物好きなせいもあるでしょうが、近頃では出色の出来の作品だと思います。慌ただしくも無く、退屈もさせず、「この映画の趣旨は?」なんて事も考えさせずに、ただひたすらストーリーに没頭させてくれる映画でした。http://www.boleyn.jp/

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このお話には当初から思い入れがありました。高校時代に読んだ漱石の「倫敦塔」、その中で紹介されていた、W・H・エインズワースの「ロンドン塔」に描かれた時代です。印象深い作品でした。そのせいでアン・ブーリンの名も逸話も、ある程度は知っていました。期待を持ち観て、その期待に答えてくれた稀有な作品です。ナタリー・ポートマンもスカーレット・ヨハンソンも、それぞれのキャラクターを良く演じていたと思います。

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ヘンリー8世は、6回結婚を繰り返し5回離婚しています。(6回目は、結婚3年半後にヘンリーの方が死去)その内2回は王妃を刑死させています。映画でアン・ブーリンの嫉妬の対象となったジェーン・シーモアは、男子(後のエドワード6世)出産後に産褥死しています。結婚期間最短は6ヶ月、アン・ブーリンは約3年間でした。以前「1000日のアン」として映画化もされています。

ヘンリー8世の時代は、ハプスブルグ家が権勢を誇った時代です。オーストリア、イタリア、スペインをハプスブルグ家勢力が治めていました。ヘンリー8世の妻キャサリンはスペイン王家から嫁いできました。元々は早世した兄アーサー皇太子の妃でした。ハプスグルグ家との繋がりを求めての政略結婚だったのでしょう。そして離婚は逆に、ハプスブルグ家勢力からの独立を求めてのものだったのかも知れません。離婚を認めないローマ教皇の最大の庇護者もハプスグルグ家です。離婚を強行して破門されイギリス国教会を立てる事によって、ローマ教皇からの支配からも外れ、同時にカトリック修道院の財産も没収しています。この時に反対したトマス・モアなどの側近や修道僧など多くを処刑しています。イングランドがハプスブルグ家勢力を恐れる必要の無いほどの勢力を得、絶対君主として君臨できる強い王権を得た証しなのでしょう。実際には単なる愛憎劇では無く、極めて政治的な事件だったのだと思います。

アン・ブーリンの近親相姦も、その真実は確かめようもないのですが、真異はあまり関係無いのでしょう。国の根底を変えてしまうローマ教皇からの脱却は、”王の女狂い”では無く、”魔女の陰謀”を理由とするものであった方が、施政者には都合が良い。それでアンの罪状には、単なる不義密通だけでは無く、魔女でしかなし得ない”近親相姦”が加えられたのかも知れません。ちなみに罪状には”魔術”も加えられています。

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コメント

ヨーロッパの歴史を題材にした映画は、その作品だけで完結しないから面白いですよね。キャサリンがスペインから嫁いで来たのに離婚されたことと、後のエリザベス一世時代に起こったイングランドvsスペイン戦争は無関係ではないんじゃないかと思っています。連綿と続く歴史のロマンが感じられる作品だと思いました。
個人的にこの2大女優の共演には堪らないものがあります。(笑)

諸葛亮さん、こんにちは♪
私のブログに遊びに来ていただいて有難うゴザイマス(∩.∩)
こういう映画は男性の目から見たらどうなんだろうと思っていたので興味深く読ませていただきました。
この時代の歴史に詳しくてらっしゃるのですね。

>実際には単なる愛憎劇では無く、極めて政治的な事件だったのだと思います。

女性は政治的な事件の中にもドラマを求めてしまいがち、まっ、だからこそこういう素晴らしい映画が出来上がったのでしょうね。

ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソン。当初イメージが逆だと言われてましたが何の違和感もなく見事に演じられてましたね。
私の場合、半信半疑、期待半分で観に行ったのでスッゴク得した気分で帰ってきました。

映画や本がお好きなようですね。また楽しいお話を読みに遊びに来させていただきますね(#^.^#)

KLYさん、あばたさん、ご訪問&書き込みありがとうございます。最近は洋画を観る機会が減っています。派手なアクションばかりで内容の薄い作品が多いような気がして・・・。「ロードショー(雑誌)」も休刊とか。仕掛けで目や耳を驚かせるだけで無く、しっとりした作品、地に足の着いた作品を観せて頂きたい気持ちです。今回のようにね。

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