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2009年9月16日 (水)

「百聞は一見に如かず」

「百聞は一見に如かず」という言葉について考えてみました。語源は「漢書」に載っている将軍・趙充国の言葉だそうです。羌族の反乱を治めるに必要な兵力を、皇帝が趙充国に下問した際に答えた言葉だそうです。「百聞は一見に如かず(百聞不如一見)、兵ははるかにしてはかり難し、臣願わくば馳せて金城に至り、図して方略を上がらん」 つまりは、「都に居たのでは実情が判らない、現地に出向いて戦略を練り奏上しましょう。」といった意味でしょう。

現代での一般的な意味は、「百人からの伝聞より、現場で実際に見てみる方が真実が判る」といったところでしょうか。趙充国のそれも、確かにそういった意味合いなのかも知れませんが、違った見方もある気がします。皇帝は必要兵力を訪ねる前に、「平定の為に差し向ける将軍は誰にすべきか?」と尋ね、趙充国は自らを自薦しています。すでに70代半ばを過ぎていた老将軍、「まだまだ若い者にひけは取らない、私自身が現地に出向いて実情を把握、治めてみせます。」との自己顕示だったのかも知れません。

それはさておき、若者言葉の「やば~い」のように、言葉の意味は時代と共に変化する場合があります。「百聞は一見に如かず」も、ややニュアンスが違ってきているように思います。情報伝達を”噂””伝聞”に頼った時代では、そりゃあもう、「百聞」に信頼は置けなかったでしょう。現代でも、”噂・伝聞”には信頼度の低いものも含まれますが、情報源を選べば、かなり詳細で正確な情報を得る事ができます。「百聞」に書籍や新聞・ネット情報まで含めるなら、場合によっては寧ろ「一見」を超えるだけの確実性もあるように思います。良質な「百聞」は、「一見」を寄せ集めた「百見」でもあるのです。

「百聞は一見に如かず」、元々は「百聞」に対する「一見」の”優位性”を述べた言葉ですが、現代では「百聞への過信を戒めることわざ」とした方が意味がある気がします。情報過多の時代、膨大な情報量から信頼の置けるものを選別しなければなりませんし、正しく理解し利用する、受け手側の冷静・客観的な判断力がより重要になってきます。

某韓国旅行掲示板を眺めながらそんな事を考えていました。確かに実際に現地を訪れての「一見」は貴重な情報源になります。ただ時により、その時その瞬間だけの事実である場合もあり得ます。繰り返しての「二見」「三見」になれば別ですが、1回限りの「一見」ではその恐れもあります。また「実体験」ではあっても、「百聞」的知識無しでは、間違った理解・判断をしてしまう場合もあります。例えば、「高級ホテルなのに歯ブラシも置いていない!」とか、単なる旅館街を「ラブホ街!」と誤解してしまうとか。

先の例は、環境保護の立場から使い捨て品の無料配布が禁じられている点、後の例では、日本感覚で”ラブホテル”に見える建物が必ずしもそうでもない、普通の旅館である場合が多い、また日本では如何わしいイメージのある温泉マークも韓国では単に「風呂に入れる施設(旅館・銭湯)」を指すマークである、との「百聞」的知識があれば避けられる誤解だと思います。

私は韓国に興味を持った初期の段階で、韓国に関係する本を読み漁りました。旅行記や「韓国の今」的な風俗・習慣・社会情勢を教えてくれる本、歴史書、そしてガイドブック。ガイドブックは、最初の頃は毎年56冊は買っていました。そのお陰で、毎年同じ記事を繰り返し使っている、碌な更新もしていない本の多い事も知りました。coldsweats01  ま、普通は、毎年買う人なんて少ないでしょうからね。最近はさすがにガイドブックを買う冊数は減りました。

そんな本で得た知識、実際に旅行して、「なるほどその通り」と思った事も、「いや実際は少し違う」と思った部分もあります。日本以上に変化の激しい韓国ですので、”時代の変化”という部分もあるでしょう。初期に読んだ呉善花著作などは、現代では実情に合わない部分も多くなっています。しかし概略、本で得た知識は役に立っています。もちろん応用は必要ですが、日本と同じ点違う点の区別、そしてその対応で慌てない気構えには、おおいに役立ったと思っています。貴重な実体験である「一見」を活かしより有益にするための「百聞」、そして事前準備で溜め込んだ「百聞」を確かめるための「一見」、そのバランスが現代の「百聞は一見に如かず」ではないかな?とか、徒然に思い巡らす今日一日でした。

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