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2014年11月22日 (土)

「単騎、千里を走る」

高倉健が亡くなりました。任侠映画は観ませんでしたので、特にファンというわけでもなく、観た作品も少ないです。「幸せの黄色いハンカチ」は多分TVで。良い作品でした。「野生の証明」は薬師丸ひろこで、「ブラックレイン」は松田優作目当てでした。それがたまたま、訃報を聞く前日に「単騎、千里を走る」をレンタルしてきていました。こちらも主演ではなく、チャン・イーモウ監督への興味で借りてきたものです。「紅いコーリャン」以来のチャン・イーモウファンで、「菊豆」「活きる」「あの子を探して」「初恋のきた道」等々、色々観てきました。「単騎、千里を走る」は、公開時興味を抱いたものの見損なっていた作品です。それがたまたま、偶然にこのタイミングで目に付き借りてきていました。少し前に「龍城恋歌」という、チャン・イーモウ制作総指揮での別監督作品をやはりレンタルで観て(やはり監督作品でないとダメだ、と)がっかりしていましたので、その口直し意味もありました。

作品は、末期癌に侵された息子に代わって、不仲の父親が中国に渡り仮面劇を撮影するという話です。撮影対象の仮面劇役者が罪を犯し収監中で苦労を重ねます。高倉健とその息子(中井貴一:声だけの出演)との葛藤、そして役者とその息子との関係を軸に、中国奥地での風景をバックに描かれます。中国場面をチャン・イーモウ、日本場面を降旗康男と監督が交代しますので、やや雰囲気が異なります。中国場面ではおそらく、本職俳優はほとんど使われていないように感じます。確かに映画作品ではあるのですが、ドキュメンタリー風の雰囲気が漂います。高倉健の朴訥な演技とは、寧ろ調和して感じられました。セリフが中国語とたどたどしい日本語ですので判りませんが、中国語の堪能な方には、中国人出演者たちの演技が、もしかしたら素人演技と見えていたのかも? 日本場面での寺島しのぶの俳優演技(決して下手なわけではありません)の方が、逆に浮いた雰囲気に感じられてしまいます。しかし高倉健さん、冬の八甲田山や南極、中国奥地と、過酷な地での撮影の多い俳優さんです。

高倉健演じる高田剛一という田舎の漁師、高倉健そのものであり、同時に高田剛一そのものであるように感じます。演じている感がありません。演技が上手いのか下手なのかも判らない、そのままに見えます。不器用なのか、飛びぬけて器用なのかも判りません。”演じる”という概念をすでに突き抜けてしまっている俳優さんなのかも知れませんね。確かに、他の誰かには代わりの務まらない、貴重な存在だったのだと思います。ご冥福をお祈りします。

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