高崎日帰り、映画&だるま寺&高崎市美術館
GWなか日、日本全国、また海外へと民族大移動が繰り広げられている模様。我が家では、金は無いし混んでるところは嫌い、でもちょいと近場くらいは、ということでお隣群馬県の高崎市まで出かけてきました。切っ掛けの目的地は「シネマテーク高崎」、地方では珍しい名画座的な映画館でマイナー作品を上映しています。前回は「百円の恋」を観に行った映画館です。当初の目論みでは午前中に映画を観てしまうつもりでいたのですが、勝手に「関係ない」と決めつけていたGW渋滞(事故渋滞絡み)で上映時間に間に合わず、順番を逆にしてまずは市内観光から始めることになりました。
高崎と言えば”だるま”、正月のだるま市は例年TV等で報道されます。とは言え、実は1度も訪れたことがありませんでした。それで今回はこの「少林山達磨寺(http://www.daruma.or.jp/)」を最初の目的地としてみました。高崎市街から安中方面に10kmほど、約15分ほどで到着します。300年の歴史を誇り、縁起達磨発祥の地でもあるそうです。毎年1月6、7日に開催される「七草大祭だるま市」には数十万人の参詣者が訪れるそう。さして広くない境内に数十万人、と聞いただけで正月には訪れたくないと思ってしまいます。繰り返しますが混んだ場所は嫌い。(笑) GWでも空いていて良かったです。ツツジが綺麗に咲いていました。
本堂に当たる霊符堂前には、お礼奉納された願掛けだるまが並びます。数としてはやはり”合格”だるまが多いですね。お隣の達磨堂内には、全国のだるまコレクションが展示されてあります。選挙に使われたのでしょうか?群馬県出身の歴代総理大臣の大達磨も並べられていました。
駅に近い市街地中心部に戻り昼食。私は”ソースかつ丼”にしました。玉子で閉じる一般的なものと異なり、ご飯の上にキャベツ・トンカツを乗せソースをかけただけのものです。この辺りでは一般的な食べ方です。食堂に美術館の割引券が置いてありました。ラッキー!300円が250円に。割引無くても安い美術館です。群馬って美術文化事業に結構力を入れています。
食後は「高崎市美術館(http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014011000353/)」へ。駅からも近い市街地内にある美術館です。現在の企画展は「世界をポップに!!ポップアートinアメリカ」でした。ジャスパー・ジョーンズ、ロイ・リキテンシュタイン、アンディ・ウォーホール、フランク・ステラ等の作品が集められていました。日本からは池田満寿夫、草間弥生、靉嘔など。アメリカでは1960年代始めから盛んになっていたようですが、日本で一般的に作品を観ることができるようになったのは1970年代半ばからだったように思います。その当時、大学美術部員として結構本気で絵に取り組んでいたもので、ポップ・オップ・ミニマル、またスーパーリアリズム作品等に熱くなったのを憶えています。東京ビエンナーレとかアンデパンダン展、銀座の画廊でも新進作家の前衛作品が多く展示される時代でした。ユーミンの歌同様、私にとってはポップアート作品も、若き日の想いに繋がるほろ苦さを含みます。
また美術館隣接の「旧井上房一郎邸」では、特別展示として横野健一という作家の作品が展示されていました。1972年生まれと言いますから現在43歳位でしょうか。木版の版木をそのまま作品にした、といったものですが、中々興味深い作品でした。クラシカルな建物内での展示(この場所での作品展示は異例だそうです)でしたが、調和と不調和との微妙なバランス感覚で、意外と面白い相乗効果を生み出していたように思いました。ちなみに井上房一郎氏は地元群馬の実業家、群馬交響楽団の創設を始め、文化事業に功績のあった方だったそうです。
最後は映画館「シネマテーク高崎(http://takasaki-cc.jp/)」です。美術館とはさほど離れていないのですが、車で移動します。美術館と映画館それぞれに契約駐車場があり駐車券が発行して貰えます。この日結局は、昼食時間も含んで300円の駐車料金で済みました。
映画は「妻への家路(http://cominghome.gaga.ne.jp/)」、チャン・イーモウ監督コン・リー主演の中国映画です。コン・リーは「紅いコーリャン」以来の好きな女優のひとりです。「菊豆」「春菊の物語」「活きる」「始皇帝暗殺」、チャン・ツィーとの共演の「SAYURI」でも存在感のある役を演じていました。今回は、文化大革命で夫を連れ去られ、心労から夫に対する記憶を失い、再開の時が来ても夫と認識できない妻との役を演じています。チャン・イーモウ作品も出逢えばできるだけ観るようにはしているのですが、昔の「初恋の来た道」などの印象が鮮烈すぎるせいか、最近はいまひとつに感じています。今回も序盤は少々のまだろっこさを、ラストでも割り切れないもやもやの内に打ち切られてしまった感があります。文化大革命への批判も、「活きる」の時のような強烈さは影を潜めています。チャン・イーモウ、コン・リーの組み合わせに期待を持ち過ぎたせいもあるのでしょうが、満足できる出来とは感じませんでした。ただ、コン・リー、ストーリー序盤では実年齢(49歳)に近い年齢の役だったのだと思いますが、終盤ではすっかりおばぁちゃんになり切っていて驚きました。
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