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2015年7月17日 (金)

「ターナー 光に愛を求めて」

英国ロマン派の画家、J・M・W・ターナーの後半生を描いた映画を観てきました。「ターナー、光に愛を求めて(http://www.cetera.co.jp/turner/)」 

150分の作品、前半では少し眠くなる時間帯もありましたが、作品が退屈だったわけではありません。原因は夜中の全英オープン(ゴルフチャンネル)による寝不足です。ただしかし、CGを駆使したエンターテイメント作品がお好きな方々にはいささか退屈かも知れません。はっきりしたクライマックスもありませんし、事件も起こりません。不幸な家庭事情も描かれますが、殊更に誇張されることもなく、孤独を抱える不器用な中年男性として表現されています。私自身、正直、心揺り動かされる感動は感じませんでした。しかし、150分を長いとも感じませんでした。淡々と描かれる画家の生活、老いて行く時間、誰もが逃れられない人生の過酷さが、濃密過ぎず軽薄にも流されず、現実の重さを持ってしかしあくまで淡々と描かれます。ターナーを演じたティモシー・スポールは、もはやターナー本人にしか見えません。この作品でカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞しています。

作品に集中できた要因として、ターナーに対する私自身の思い入れもあったかと思います。学生時代の40年ほど以前、スコットランドに2週間滞在しました。エディンバラの美術館で観たターナー作品、そしてそれ以上に脳裏に残るスコットランドの風景は、ターナーやコンスタブル作品と重なります。ターナーはロンドン中心部生まれで、作品も決してスコットランド風景を描いたわけではないのですが、ロンドン滞在時間は僅かで都会部分しか見ていません。私の知る英国の自然風景はスコットランドのものに限られます。そしてその、湿度を感じる空気感が、ターナーの風景画作品に甦る想いがするのです。若い頃に流行った歌がその時代の思い出を甦らせるのと同様に、ターナーの絵が、青春時代の欧州旅行の思い出に繋がっているのでしょう。

ターナー作品に対して持つ愛着に関わらず、画家ターナーに関する知識はほとんど持っていませんでした。芸術家筋ではなく理髪店の息子だったこと、幼少時の家庭的不幸、そして若くして(史上最年少で)英国アカデミー正会員となり確固たる地位を築いていたこと、いずれもこの作品で初めて知りました。印象派画家達や現代美術作家に比べて、その生い立ちや画業に今まで関心を持たなかったこと、自身でも意外です。唯一の知識は、映画後半で批判を浴びた半抽象的もうろう作品が、後の印象派に多大な影響を与えていたことくらいです。そして逆に、映画でそのことに触れていなかったことも意外でした。

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