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2015年7月 9日 (木)

「国際市場で逢いましょう」

気になっていた映画、やっと観ることができました。韓国での公開が昨年の12月、東京では今年の5月でした。7月になってようやく北関東にまで回ってきました。それでも近隣のシネコンでは上映予定がなく、高速道使ってのドライブ鑑賞です。

「国際市場で逢いましょう」、ファン・ジョンミン、キム・ユンジン主演の作品です。キム・ユンジンをスクリーンで見るのは久し振り、多分「シュリ」以来だと思います。「シュリ」も近場での上映がなく、確か小山市まで観に行ったと思います。その後”韓流”ブームで韓国映画の上映機会が増えましたが、ブームに便乗した粗悪な作品の上映も多く、寧ろ映画ファンには悪いイメージを植え付けてしまったかも知れません。”韓流”も去り、落ち着きを取り戻しました。また遠出しないと観られない状況に戻りましたが、寧ろこれで良かったのだと思います。近場で面白くない作品を見せられるよりは。

作品は、朝鮮戦争時から現代までの、苦難と貧困の中を生き抜いた1人の韓国人の生き様を描いています。朝鮮戦争の混乱の中生き別れた父親にチョン・ジニョンを配し、短い出演時間ながら存在感を示していました。老いたファン・ジョンミンの特殊メークはやや不自然ではありましたが、相変わらずの役作り、安定しています。世に出る前の、現代自動車創設者の鄭周永遠(チョン・ジュヨン)やデザイナーのアンドレ・キムを登場させるサービス精神も発揮、「三丁目の夕日」的なノスタルジー色も加味していますが、作品内容は「三丁目~」とは大きく異なる壮絶さを含んでいます。朝鮮半島そのものが戦場になった朝鮮戦争は、島全体が戦場になった沖縄同様ですが、同民族同士での争いですので更に悲惨さが増幅しているのかも知れません。西ドイツ鉱山への出稼ぎ、ベトナム派兵、そして生き別れた妹との再会と、卑怯なほどに涙腺を攻撃してきます。しかも、「恋人が実は兄弟」「難病に侵されて」とかの韓流お涙頂戴での安易脚本ではなく、それぞれが韓国庶民が実際に経験してきた重い現実です。攻撃は真正面から受け入れざるを得ません。全体的に無駄なく的確に描かれた作品だと思います。

日本公開以前から、韓国での歴代上位の観客動員を果たしながら、賛否両論ある作品と聞いていました。当時の政府・政策への批判精神の欠如、というのが”否”派の論点のようです。確かに、「光州5・18」や「シルミド」のような批判的描写は少ないように思います。韓国では、映画世界でも政権批判のタブー視された時代がありました。それが解禁され、過去に遡り光州事件等の闇を告発する映画作品が作られるようになりました。その意識での”否”批判なのでしょうが、韓国でも「戦後は終わった」との段階に入ったのかも知れません。この作品では、政治的批判精神は敢えて付け加える必要は無かったように思われます。意図的な誘導を含ませてしまっては、作品の自然な流れを阻害してしまいます。その意味では、”映画作品として”成熟したものなのかも知れません。

ps.庭の朝顔が咲きました。ゴーヤの花も。

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