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2019年7月29日 (月)

野口五郎コンサートin太田

太田市民会館、野口五郎コンサート、昨日行ってきました。。高校生時代の家内がファンだったとか。それで4月の誕生日プレゼントはチケットにしてみました。大学生時代付き合い始めた頃、彼女は「私鉄沿線」のモデルになったという池上線沿線のアパートを借りていたけれど、特に意識してのことではなかったそうな。

太田市民会館は2017年に移転新装された2代目の市民会館です。本年BCS賞という建築賞を受賞したとか。長らく老朽化を言われながら予算の出ない足利市とは好対照、広い駐車場を持つ最新施設です。駅前の図書館といい、税収格差を感じざるを得ません。

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野口五郎、アンコールはアカペラで歌ったり、マイクを置いて地声で歌ったり、さすがの声量・歌唱力でした。そうとう鍛えてますね。しかし誰も立たない、手拍子も声がけもほとんどないという(ライブじゃなくて)コンサート、久々の体験でした。学生時代のディープ・パープル以外ではラルクと林檎と森高さんしかライブ体験の無い家内、「静かだね」が感想でした。でも私達の世代では、GS嵌って追っかけしてたような人以外では、オールスタンディング未体験が大多数かも知れません。

蛇足です。家内は大学生時代の美術部の後輩、知り合って3年半経ってから付き合い始め、途中2年の遠恋期間を経て結婚、来年で40周年になります。昨年、久々に再会した聖心女子大卒の絵画仲間に「学生時代憧れてたんです!」と言われ「えっ俺に?」と思ったら「同棲に」だった。

当時上村一夫の漫画「同棲時代」が人気となり、1973年にドラマ化・映画化されました。ドラマでの主演は梶芽衣子と沢田研二、挿入歌でモップスの「たどりついたらいつも雨ふり」吉田拓郎の「旅の宿」が使われたそうな。憶えてないけど。映画版は主演が由美かおる・仲雅美、大信田礼子の歌った主題歌がヒットしました。”同棲”という言葉自体が流行し社会現象ともなりました。しかし当初の私の時代では、実際に同棲しているカップルはまだ少数で、”お堅い”聖心女子大生の周辺では遠い夢物語だったそうです。渋谷のトレンディ?大学在学中の私の周辺ではまぁ、そんなに珍しい存在ではなかったですけどね。

野口五郎の最大ヒット曲「私鉄沿線」もそう、”同棲”を主題にした作詞です。当時はそんなテーマの曲や小説・ドラマ、多かったですね。そしてほとんどというか「全部」と言っていいくらいが、悲恋、青春の切ない恋、別れ、で終わっています。ウチは当たり前のように結婚しちゃいましたけどね。来年は結婚40周年、夫婦でちょっと長い旅にでも出かけたいと思っています。

2019年7月26日 (金)

「ウィーン・モダン」2度目

ようやく”最近”の記事になりました。24日水曜日、前回上京で「ウィーンモダン展」の購入済み前売り券を持って出るのを忘れたので、再戦&上野の「松方コレクション」と「三国志」を巡ろうと画策したのですが無理でした。早朝出発のはずが、早起きしたのにのんびりし過ぎて乗った電車は9時半(当初予定は7時半)、この時点で完走は断念。おまけにスケジュール最初の恵比寿で道に迷い(恵比寿と恵比寿南を勘違い)1時間以上彷徨ってしまった・・・。ふぅ~~。

恵比寿ではMA2Galleryという画廊での「 WOMAN - 鋼と柳」という展示会、薄久保香という美人画家さんが参加しています。以前前橋でのご主人の個展を観させて頂いたことがあります。奥様も描かれるとは聞いていたのですが、ご本人の作品は初めて観させて頂きました。最初の3枚が薄久保さんの作品です。すっきりした画廊での現代美術7組8人での展示会でした。http://www.ma2gallery.com/

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恵比寿からは日比谷線が出ていますが、もうあまり歩きたくないので山手線で原宿、千代田線に乗り換えて乃木坂へ。国立新美、日比谷線六本木駅からは歩くのです。しかも登り坂。乃木坂駅は美術館直結ですので便利です。

2度目の「ウィーン・モダン」ですが、2度観て良かったと思いました。クリムト作品そのものは都美術館での「クリムト展」の方が充実していましたが、時代背景を感じるにはこちらも貴重です。マリア・テレジアの後を継いだヨーゼフ2世は理性・合理性を重視する啓蒙思想の影響下、農奴制の廃止や総合病院の設立等急進とも言える改革を実施、ウィーンを近代都市へと変貌させます。ビーダーマイヤー時代の銀器は今見てもモダンですね。そういえば10月に西洋美術館で「ハプスブルグ展」が企画されています。興味が高まります。

ハプスブルグ家繁栄の中のウィーン、時代の寵児ハンス・マカルトの絵画やイベンターとしての活躍は興味深いですし、初期のクリムト作品や工芸・ファッションも時代の息吹を象徴します。エゴン・シーレは多少物足りなかった面も感じますが、デッサンは見応えがありました。図録は買わなかったので絵葉書を数枚購入。「エミーリエ・フレーゲの肖像」は絵葉書の方がまだ近い、チケットは派手に細工し過ぎ。

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その後上野へ移動も到着は4時10分過ぎでした。「三国志」入場は4時半までですので間に合いはするのですが急いで観るのはイヤなので今回は断念、日を改めて、松方・三国志で再訪します。9月10日からの「コートールド展」シニア前売り券を2枚購入。家内を誘います。一般前売り1,400円、シニア前売り800円でした。歩数11,500余。田舎は車異動であまり歩きません。

2019年7月20日 (土)

今日も書き損ねた日に遡ります。7月5日、国立新美他。

中々近頃の話題に追いつきません。(笑) 7月5日(金)の東京歩き、家内と一緒でした。まずは渋谷へ。母校で幼稚園から大学までの作品を飾る展示会があると聞き訪ねてみることにしました。会場は短大ギャラリー、卒業以来おそらく初めての短大敷地への侵入です。

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展示はしかし、簡素なものでした。幼稚園から中等部・高等部・大学美術部、大規模な展示を想像していましたので質・量とも期待外れです。次の予定まで時間が足りるか心配していたのですが、中途半端に余裕ができてしまいました。

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地下鉄でひと駅戻り乃木坂、国立新美術館です。今回の目的展示は2つですが、まずは友人達と待ち合わせてランチです。Img_20190705_111954 1階で待ち合わせB1階のレストランへ。いつもは1Fのカフェを利用していますのでB1Fレストランは初めてです。待ち合わせたのは大学美術部での後輩3人、家内の同級生女性達です。私はハッシュドビーフとサンドイッチを頼んで家内とシェア。家内を含むオバサン4人はビールで乾杯、私だけコーラ。

展示会最初は”蒼騎展”、蒼騎会主催の公募展です。30数年振りに再び絵を描き始めて、今回初めて公募展に応募してみました。今は公募展も多くレベルも様々です。私の学生時代のような、美術界を先導するような力はもうありません。それでも老舗公募団体では私の力では無理、中レベル公募展への挑戦に留めました。

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会場で自作と並んだ写真は撮ったのですが、作品単独での写真を撮り忘れました。自室で取った写真に替えます。油彩P40号、裸婦クロッキー会でのスケッチを基に6人の裸婦像を組み合わせました。別々のスケッチからのピックアップですので寸借が狂ってしまって苦労しました。本来は「細かいデッサンのくるいなど気にせず力強い線で」との意図もあったのですが、いざ描きだすと気になります。その分線が頼りなくなってしまいました。広い会場ですので40号も小さく見えます。それでも新美という会場に展示して頂けたのは励みになります。20196-6-p40

家内と後輩たちとで会場入りしましたので自作の前で簡単な解説を。言葉で説明するのは難しいですね。言葉で説明できるなら絵では描きませんので。ですので説明は基本的には技術面、作画手順等になります。

会場を出て1Fカフェで再びおばさんトーク、学生時代の懐かしトークはほとんど出ず近況報告がメインとなりました。

1時間ほどで解散して私と家内は同じ新美術館での「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」会場入りです。6月4日に都美術館での「クリムト展」を観ていますのでひと月振りのクリムトです。蒼騎展は案内ハガキ提示で無料入場、企画展もハガキ提示で100円引きになりました。とここで、1枚だけ買ってあった前売り券を持って出るのを忘れたことに気付きます。ん~、クリムト・シーレはもう1回来ることになりそうです。

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代表作「エミーリエ・フレーゲの肖像」だけ撮影できました。クリムトもエゴン・シーレも予想したより作品数は少ないです。展覧会HPにあるように寧ろ「クリムト、シーレだけじゃない。ウィーンの至宝が大集結」との方が企画のメインなのでしょう。確かに、当時の文化の中心地ウィーンの街の成り行きやクリムト絵画衣装の再現等、興味深いテーマが取り上げられています。会期は8月5日まで、近日中に2度目に出かけます。

2019年7月18日 (木)

森高さんライブで新潟へ、

  日を遡ります。出来事をすぐさま書き残すのが苦手、ついつい後回しにしてしまいます。ですのでTwitterとかInstagramとかは滅多に書き込みません。Facebookでも、スマホで書くこと自体少ないですから。今回は6月29日~30日での新潟1泊旅行です。

29日土曜日、午前中に愛車S660にて出発。購入して2年半、初めての遠距離ドライブです。念のため事前に簡単な検査をやって貰いました。タイヤ空気圧とか。タイヤ扁平で薄いのでちゃんと空気が入っているのかよく判りません。オープンにしようかとも思ったのですが、天気不安で止めました。あと、途中に長~~いトンネルがありますね。オープンでトンネルは最悪です。 Img_20170318_104332

北関東道から関越道、2時間半ほどの旅程です。車での新潟最遠到達点は八海山スキー場ですので今回はそれを超えます。というか、スキー以外での新潟方面ドライブというもの自体初めてです。途中の景色、さすがお米の本場、田んぼが広いですね。家内の里宮城も広い田が広がりますが、新潟平野は更に平坦に広がります。サービスエリアで信濃川を見物しました。

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新潟市内に入って最初に訪れたのは画廊です。3月東京での「3331アートフェア」の折に目を付けた新潟在住の女性画家の個展がたまたま開かれています。画廊は”羊画廊(http://www.hitsuji-garo.com/index.html)”、作家名は”わたなべめい”です。作家さんにも3か月振りお会いできました。

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ホテルにチェックイン、ホテルは”日航新潟”です。今回の新潟市行、見かけは「森高千里 この街ツアー 2019」なのですが、実質は必ずしもそうではありません。寧ろこのホテルに泊まること、新潟在住の友人に逢うこと、そしてめいさんの個展を観ること、この3つが重ねられたので森高新潟ライブに参戦を決めた、との方が実際の所です。ファン先行予約では新潟公演を予約していません。最終的にはめいさんの個展時期の重なっていることを知り「じゃこの機会に」と決め一般販売でチケットを得ました。

2年前の2月、スキーを兼ねて新潟市の友人を訪ねることにしていました。その時に予約したのが”ホテル日航新潟”です。しかし予定の1週間前にかかり付け医院での検査で腫瘍が見つかり、2日前の拠点病院での精密検査で悪性腫瘍であることが判明しました。入院手術ということになりキャンセルの電話をしたのが前日でしたが「そのようなご事情でしたら」とキャンセル料は免除して頂きました。電話に出て頂いたスタッフ女性の対応が温かく「無事生還したらいつかまたこのホテルに、」と決めていました。初期発見ではなくすでにステージⅢまで進んでいましたので”無事生還”は決して大袈裟ではありません。5年生存まではまだ半分以上残っていますが、取り敢えずは転移なしで元気です。このホテルに泊まることが、今回の旅での最大目的と言っても言い過ぎではありません。

部屋は27階、One Harmony登録してありますので少しグレードアップして頂いたようです。

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シャワーを浴びて1時間ほど休息、会場の新潟県民会館へ向かいます。折角ですので新潟友人も誘ってみました。一般販売で私の得たのは2階席、森高さん仲間から廻して頂いた追加1枚は5列席(実際はオーケストラブース?の席もあり10列目位)でした。初森高参戦の友人に前の席で見て頂きました。2013年足利復活ライブ以来の2階席です。前席が立ちあがらないので久々のシッティングライブになりました。今回はオペラグラスも忘れず持参しました。ライブ模様は桐生・栃木市と大きくは変わりませんので省略いたします。全国ツアー、次回参戦は富岡(群馬)です。

Img_20190629_172413 Img_20190629_194619 さすが新潟ですと顔馴染みファン仲間も少数です。前日の富山は更に少なかったとか。今回は仲間との打ち上げは遠慮、新潟友人と2人で酒食することに。彼に予約して頂いたのは寿司割烹”伊丸”結構高級な店らしい。岩牡蠣が1,300だか1,500円(1個)、ノドグロはたった5切れで3,000円、確かに美味いけど普段は注文しないなぁ。越乃寒梅も呑んだけど、友人お勧めの”麒麟山”がやたら美味しかった。さっぱりしながらコクがある。他では見たことのない日本酒でした。

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翌30日、朝食後チェックアウト、2年前のお礼もメモに残しました。担当の方のお名前聞いておけば良かったなぁ。ホテル上にある展望台にも上り、”万代島美術館(https://banbi.pref.niigata.lg.jp/)”も観てきました。つい先日館林美術館で観た日高理恵子作品はこちらでいち早く観ていました。新潟県立近代美術館は改修工事休館中。  Img_20190630_095959 Img_20190630_103648

 

その後再度羊画廊へ。わざわざ新潟まで足を運んだのですから、1点買わせて頂きました。今月はだいぶ予算オーバーです。月末カード支払いが恐い・・・。ご朱印頂きに弥彦神社にでも周ろうと考えていたのですが、台風来襲(もう温帯低気圧になってたかも?)での雨降りでしたので億劫になり断念、公演駐車場でひと休み(ひと寝入り)して高速を一路自宅へと向かいました。S660でのドライブも楽しかったし、ホテルへの御礼も済み、充実感の高かった旅でした。なんせ森高さんライブがサブ目的になってしまうくらいですから。

2019年7月16日 (火)

最近読んだ本

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 「ポルトガルの夜明け」竹島眞澄 文芸社

 来年は結婚40周年に当たります。記念して海外旅行など、と漠然と考えています。その行き先候補のひとつがポルトガルなので「何かポルトガルに関する本を、」とネット検索で行き当たったのがこの本でした。12世紀イベリア半島でのレコンキスタ(国土回復運動)時代を描いた作品です。ポルトガル黎明期のアフォンソ1世とその母親テレーサを中心として展開します。作者は京都大学物理学科卒の理学博士、小説趣味が高じて著した、との感じのようです。小説としては素人色満々、歴史小説ファンらしく時折三国志時代の中国や頼朝・義経等を例示した部分にも違和感があります。随分と努力されて調べ上げたのでしょうが、小説としての一貫性に乏しく物語としての盛り上がりに欠けます。あまり日の当たらない黎明期ポルトガルの知識を得た、というのが唯一の収穫と言えるかも知れません。

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 「青い眼がほしい」トニ・モリスン 大社淑子訳 ハヤカワepi文庫

 椎名林檎嬢お気に入りの西加奈子さん推薦という、二段階推薦で買ってきました。ノーベル文学賞受賞作家のデビュー作です。出版は1970年、1960年代の黒人社会を描いています。公民権運動が盛り上がっていた時代だと言うことですが、その当時のアメリカでの人種差別がどのようなものだったのか?想像ができません。その点で理解できない部分も多いのですが、一般的に多く見られる”白人からの差別に反発する黒人”というテーマ設定で無いことは判ります。”黒人社会内での自己差別”とでもいったものなのでしょうか?かなりドロドロした現実が描かれています。読んでいて苦しいほどに。少なくとも読後感の良い作品ではありません。最も理解できなかったのは作者の”あとがき”です。頭の中がごちゃごちゃになりました。

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 「キネマの神様」原田マハ 文春文庫

 ここからマハ作品3連発になります。上記2作品の後にマハ作品を続けて読んだ、ということではありません。常に数作品を並行読みしていますので、並行読みの内1作品が常にマハ作品だった、ということです。今回書いた作品以外でも並行読みしている作品があります。それらは長編なのでまだ読み終わっていません。

大手デベロッパー会社に勤めていた主人公は、社内での軋轢から17年務めた会社を辞めてしまう。娘が一流企業に勤めることを自慢にしている父親はギャンブルと借金癖がある。その父親の突然の入院に長期有休と嘘をついた主人公は偶然父の”映画日誌”を見つけてしまう。返信のつもりでチラシ裏に書いた映画に対する想い。娘の失業を知った父親がそれを、映画評論として老舗映画雑誌「映友社」に送ったことが切欠で主人公は映友社に再就職することになります。時代の波でうらぶれた、嘗ては隆盛を誇った老舗映画雑誌社。父親と娘は共に、映画に対する愛着の想いに立ち返って行きます。そして・・・・。

映画好きにはたまらない作品です。映画と映画を愛する仲間たちのエピソード、涙無しでは読み切れません。さばさばと冷静な筆致、とばかり思っていた作者の演歌調大衆小説家的一面を見せられてしまいました。本来はあまり好まないタイプですが、原田マハがやるとまんまと乗せられてしまいます。「ニュー・シネマ・パラダイス」が観たくなりました。

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 「太陽の棘」原田マハ 文春文庫

 戦後間もなくの沖縄、那覇の基地に派遣された若き従軍医と、仲間を募って生まれ故郷沖縄に芸術家村を作った日本人画家との交流を、実話を基に綴った作品です。文庫本の表紙には、モデルとなった医師をモデルとなった画家が描いた肖像画が使われています。マハ作品では初めて、読み始めで乗り難さを感じました。今までは「ジヴェルニー~」も「モダン」も短編集ですので前置きなく始まりますし、「キネマの~」は大衆小説的軽い導入ですので、考えてみれば私にとっては初めてのマハ本格長編でした。ただそれだけではなく、沖縄でのリアルな現実(当時の)を描き出そうという意気込みと覚悟を感じます。マハ作品としてはやや芥川賞寄りの作品と思えます。

最初こそ入り難さを感じたものの、すぐさま物語にのめり込まされました。「ここは日本じゃないんだから」というセリフに象徴される当時の沖縄の特殊事情の中で、日本人画家と米国軍人との間に芽生えた友情。”友情”という1語で現すには刹那で厳しい現実でした。

1973年の夏に沖縄に旅したことがあります。本土復帰は1972年の5月、まだ臨時措置として米国統治の名残が残っていました。ウイスキーは免税で買えましたし植物検疫も残っていました。畑で買って食べたパイナップルの甘さが印象に残る旅でした。

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 「ロマンシエ」原田マハ 小学館文庫

 パリに実在する版画工房を舞台とした、乙女心を持つ若きアーティスト志望男子の恋と夢、多才な作者による花の都の魅力満開ラブコメです。主人公の気持ちや意気込みを、当日のファッションブランドで表現しています。マハさん、アートだけでなくファッションブランドにも造詣が深いようです。ブランド名聞いても一向にイメージが湧きませんが。(笑)

この作品の凄いところは、単行本出版に並行して作中でのリトグラフ展を実際に東京で(東京ステーションギャラリーで)開催してしまったところです。作品はいつも文庫本で読み単行本は滅多に買いませんので、知らずにリトグラフ展を見逃してしまったのが残念です。

原田マハ3連荘を書かせて頂きました。「キネマの神様」は2007~2008年、「太陽の棘」は2012~14年、「ロマンシエ」は2015年に書かれた作品です。3作それぞれに筆致が異なりますが、時代による変遷ではなくテーマによるもののようです。器用過ぎて心配になってしまいます。買い置きでは「暗幕のゲルニカ」が控えていますが、初心に戻ってデビュー作「カフーを待ちわびて」も読んでみたい気持ちも起きています。取り敢えず、マハさんに関してはひと息置きます。

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 「介子推」宮城谷昌光 講談社

 自身の書棚からではなく、市内の喫茶店「杏奴」蔵書で読みました。5~6回通ったかなぁ~?読んだ内容に憶えがあったのですが、同じ作者の「重耳」で登場する人物なのでそのせいと思っていました。先程書棚を確認したら文庫本でありました。そのものを読んでたんだ・・・。

戦国時代の晋の公子・重耳に仕えた棒術の名手、その真摯な奉仕で伝説的に伝えられた人物です。あまりに純粋過ぎて人物像としてのリアル感には欠けますが、さすが宮城谷昌光、物語としては十分に成立しています。単独で読むよりやはり、「重耳」と合わせて読んだ方が興味深いように思えます。重耳本人は「重耳」での方が遥かに魅力的に描かれています。一時は宮城谷ワールドに嵌りひたすら読み続けていました。今回は久々の回帰です。

「杏奴」は足利市内にある喫茶店、天井まで届きそうな書棚が印象的です。お借りして読みながらの珈琲タイムを時折楽しんでいます。Img_20190704_154414

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