無料ブログはココログ

2016年12月26日 (月)

「君の名は。」

メジャー系の作品はあまり観ないのですが、「興行収入200億円越え!」の声に逆らえ切れず観てきました。もう盛りは過ぎていますので、シネコンの中では小さめの箱に変わっていましたが、それでも結構席が埋まっていました。私の観に行く作品ではいつもがらがら、家内と2人切りでの貸し切り上映も確か2度ほどありましたので、それに比べるとだいぶ雰囲気も異なります。

さて作品の感想ですが、中々良くできていますし映像も綺麗です。ただ、世間の騒ぎとのギャップは埋めきれませんでした。これはいつものことで、「永遠の0」でも「そんな騒ぐほど?」との感想でしたし、逆に感激した作品、高評価の作品は世間ではあまり話題になりません。どうも世の中と価値観がずれてしまっているようです。元々アニメ作品では、宮崎駿作品は大体観に行っていますし、興収1位の「千と千尋の神隠し」も良かったとは思っていますが、今までに観た歴代作品の中では上位に特筆するほどには思っていません。アニメ作品は、現実離れした内容で描ける自由さはありますが、やはり現実的リアル感に乏しく、自身の内面に融合した迫り来る感じ、なんと言うか、結局は自分には関係のない作り物の世界という感覚が抜けきれないのです。要は感情移入できないのです。映画をエンターテイメントとしてよりも、無意識的に、純文学的感覚で受け止めようとしている部分のあることも影響しているのでしょう。「君の名は。」は、私の中では、「悪くない作品」の範囲を超えるものではありませんでした。前半では眠気を感じる部分もありましたし、感心はしたものの、瞼を熱くする場面もありませんでした。感涙ということでしたら、宮沢りえ主演の「湯を沸かすほどの熱い愛」の方が何度も泣かされましたし、「映像が綺麗」とは言っても所詮絵具色彩の人工的綺麗さで、今年観た作品の中でも、英国映画「愛しき人生のつくりかた」でのノルマンディー海岸の実写映像には勝てはしない気がします。

今年は例年より多く邦画を観ています。確かに邦画当たり年だったのだと思います。「シンゴジラ」は面白かったですし、「殿、利息でござる!」「64」「家族はつらいよ」、いずれも入場料の元を取った作品だったと思います。しかし昨年の「百円の恋」を超える作品には出会えていません。そしてその、近年で一番感動した作品が、どの作品よりもマイナーで知名度が低いことが残念ですし理解できません。映画作品のヒットは、近年ではその質・内容よりも宣伝効果の方がより重要な要素になっているそうです。宣伝に騙されてがっかりした作品も多々ありました。それはまだ良いとして、優れた作品が世間にあまり知られず消え去ってしまうことが残念でなりません。

2016年9月 8日 (木)

「暗殺」 久々のチョン・ジヒョン

家内が高校時代の友人と軽井沢に1泊旅行、東京発・仙台発の友人達とは新幹線車内で待ち合わせることになっています。それで高崎駅まで家内を送って行くことに。駅まで送ればお役目御免ですので、その後ひとりで映画を観に行くことにしました。高崎にはマイナー映画を上映する映画館があり、時折出かけています。前回、7月末に観たのが英国映画、その前が韓国映画、更に前がフランス映画でした。いずれも地元のシネコンでは上映の無い作品です。

家内を送って高崎駅で別れたのが10時前、映画上映は12時半で時間が空いてしまいます。事前に近くの美術館を調べたのですが折悪しくいずれも展示品入れ替えで休館中でした。で、ゴルフ練習場で時間を潰そうと考え予めキャディバッグを積んでおきました。ネットで調べた観音山中腹にあるゴルフ練習場へ。2016090610240000_2


料金は200球1,800円、1球9円でした。打席料込ですので、まそんなものでしょう。普段通う地元の練習場は150球1,100円ですが、打席料が別に300円必要です。私の場合は年会費10,000円也を払って会員になっていますので、その度毎の打席料は必要ありません。月に3回以上使うなら年会費の方が割安になります。私の練習場通い頻度から計算すると、1球7.7円程度になります。相当な頻度で通っていることになります。その割には一向に上達しませんが・・・。

さて、表題の映画のお話に戻ります。今回観たのは韓国映画「暗殺(http://www.ansatsu.info/index.html)」です。久々のチョン・ジヒョンです。来月には35歳になる彼女、今年初めには”母”になっていたそうです。初めて観たのは「イルマーレ」ですが、撮影当時はまだ19歳だったはず。その時の共演相手もイ・ジョンジェでした。

作品は日帝時代の朝鮮、チョン・ジヒョンの役は独立軍の狙撃手です。例によって日本軍人は冷酷非道に描かれます。個々のエピソードは創作と思われますが、日帝支配の事実がありますので、反日教育を受けた世代の韓国人は”実話”と理解してしまうかも知れません。そういった心配を抜きにアクション映画としてみればそれなりに面白い作品です。例によって日本人役も韓国人俳優が”日本語”を駆使(丸暗記?)して演じます。ハ・ジョンウが日本人将校に化けるシーンもあるのですが、日本人からみたら「それじゃバレるだろう!」という語学レベルです。日本人役の韓国俳優の日本語も含め、その韓国人日本語がリアル感を喪失させ、単なる創作アクション映画として観ることができます。さて、韓国人が観た場合はリアル反日映画になるのだろうか?そのあたりのニュアンスはちょっと捉え難いです。

チョン・ジヒョンはアクション俳優として十分に活躍しています。ハ・ジョンウはやたらかっこいいお得感のある役柄でした。イ・ジョンジェは密偵として日帝に寝返る悪役、15kgの減量で臨んだそうです。展開の早いアクション映画としては飽きさせませんが、他国の支配を受ける悲劇としては、日本軍人の貶め方の単純さ等でいささか軽過ぎて訴える力を持ちません。後々、心底に深く残る作品にはならないでしょう。

先月の日記で、オム・ジョンファ主演の作品を「外れの少ない」と書きましたが、対照的に「外れの多い」というか、波の大きいのがチョン・ジヒョン作品です。清新で切ない「イルマーレ」、愉快なのに泣かせる「猟奇的な彼女」という傑作を持つ一方、私個人として韓国ワースト映画のひとつにノミネートしてしまった「僕の彼女を紹介します」を始め、全然面白くなかった「デイジー」や小雪との共演で期待させたけれど滑稽でしかなかった「ラストブラッド」など、駄作も抱えています。作品数が少なく期待値の高くなってしまうせいもあるのかも知れませんが。評判の良い、見逃してしまった「10人の泥棒たち」はいつかDVDでも借りてきて観たいと思っています。

2016年8月29日 (月)

大谷の一発を見てしまいました!

先の土日を使って、1泊で東京に行ってきました。主目的は野球観戦ですが、まずは新宿で映画鑑賞、田舎では上映の無い韓国映画です。上京日に上映しているマイナー映画を探したのですが、運良く、ちょっと観たいと思っていたオム・ジョンファ主演の「ミスワイフ(http://misswife-movie.com/)」がシネマート新宿で上映中でした。以前時々訪れていたシネマート六本木は昨年に閉館、同じ系列でも新宿の方は初めてです。

「ミスワイフ」はオム・ジョンファ主演のコメディタッチの作品、という前知識だけしか持っていませんでした。ただ、今まで観たオム・ジョンファ主演作品には”外れが少ない”という印象を持っています。最初に彼女を知ったのは”歌手”としてでした。アルバムは何枚か持っています。2008年に出したアルバム「D・I・S・C・O」を最後に女優業に専念しています。地方都市に住んでいると韓国映画を観られる可能性は低く、オム・ジョンファ主演作に限れば2012年作の「ダンシング・クィーン」以来です。これもコメディ作品ですが楽しい作品でした。

「ミスワイフ」は、報酬次第でどんな依頼も受ける冷徹な敏腕弁護士(オム・ジョンファ)が天界?の手違いで交通事故死、そのミスを繕おうとする天界のイ所長の提案で「他人の生活を1か月続ける」ことになる、というなんとも奇想天外なお話です。ですので前半はドタバタ騒ぎの繰り返し、不合理な突っ込みどころ満載のストーリーです。漫画と思って深くは考えずに見過ごさなくてはなりません。後半は一転、情愛溢れるお話が展開、惹きつけられてしまいます。瞼が潤む、という状態を超えて、本当に水分が零れ落ちてしまいます。恥ずかしながら。うまいんですよ~!オム・ジョンファ。ちなみに相手役はあのソン・スンホンでした。久し振りに顔を見ました。入場券半券と一緒にソン・スンホンのブロマイドハガキを頂いてしまいました。ん~~ん、要らないなぁ。

映画館を後にして池袋駅へ。西武デパート8階のライオンズコーナーで帽子と当日先発の高橋光成のマフラータオルを購入。観戦仲間は大学時代の友人2人、ひとりは西武球場駅改札口で待ち合わせ、もうひとりとは所沢行き急行の先頭車両で会うはずでした。しかし出発時間になっても友人は現れず、仕方がないのでそのまま出発しました。ただ結果として同じ列車には乗っていたそうで、時間ぎりぎりだったので先頭車両まで行けなかったとのこと。ならメールくらいしろよ~!って、スマホを買って間もなく、まだ簡単にはメールが打てないとか。兎に角も、球場駅改札口で3人合流しました。

混み合う列に並び弁当(牛タン丼)を購入、いざ入場!というところで問題発生。先頭車両に間に合わなかった友人、球場で飲もうとワイン2本を持参してきました。「大丈夫かなぁ?」と心配したのですが的中、球場には「缶ビン持ち込み禁止」でした。「外部からの飲食物持ち込み禁止」というわけではなく、ゴミの分別と興奮した観客が投げたりする危険を考慮してのもののようです。大きな紙コップが用意されており、そこでワインを移し替えることになりました。ドタバタしたもののなんとか入場、席に着いたところでまた一難!ワイン移し替えで頭が混乱、買った弁当をそこに忘れてきてしまったとか。彼がこの日のトラブルを一身に背負っています。取りに戻って、弁当は無事回収しましたけど・・・。

やっとのこと、野球の試合のおなはしです。昨年は訪れていませんし、今年の前回は前橋(群馬)敷島球場でしたので西武プリンスドームは2年振りになります。内野席の前の方の席を取ることが多いのですが、今回は上段にしてみました。選手の顔は見えませんが、球場全体はよく見えます。飛球のラインもよく判り、試合を楽しむにはこっちの方が良いかも知れません。

2016082720520000 2016082719480000 

今回は試合自体をより楽しむためにカメラは持参しませんでした。ガラ系携帯ですので画像は悪いです。好調で11.5ゲーム差をひっくり返して前日に首位に立った日ハム、さすがに盛り上がっています。ライオンズホームですので、(西武ドームは3塁側がホーム)普段は1塁側かなりの部分までライオンズファンが浸食しているはずなのですが、この日はライオンズの旗がまばらにしか見えません。かなり日ハムファンが来場している様子です。その勢いに押されたのか?先発光成(コウナ)は冴えません。初回からランナーを背負います。ピンチになると四球を出す悪い癖もそのまま。”魔の六回”の再燃か?と心配したもののさにあらず、6回まで持ちませんでした・・・。5回は1死も取れずに降板、浅村の適時打で得たリードを忽ちに逆転されてしまいました。その後、押されながらもなんとか1点差で追いすがった9回、体調不良で前日から欠場の大谷がピンチヒッターで登場します。「お!ファンサービスか?」と西武ファンも盛り上がる中、綺麗なライナーでのホームランをあっさりと放たれてしまいました。ま、大谷ですから、負け試合でもなんか得した気分です。正直なところ。その後の中田のホームランは余計でしたが。

大谷の1発の段階で帰り支度を始めていたのですが、そのまま9回裏を見ずに退出、この日は臨時特急も早々と売り切れでしたので混み合う普通列車で帰りました。もちろん栃木までは帰れません。先頭車両遅刻の友人宅にお泊りです。

翌日曜日、最寄り駅で一緒に遅い朝食を取って友人と別れ、暫しの東京散策です。六本木国立新美術館で「ルノワール展」を、と思ったのですが、期日勘違いで前週で終了していました。迂闊なり。そんな中ふと思いついて小川町に行ってみることにしました。昔よく歩いた街です。浪人時代は神田古本屋街を。その後はスキー屋巡りで歩いた街です。学生時代はスキー人気全盛期でした。今は昔、もう地元ではスキー用品を扱う店は無くなっています。25~30年振り?位に訪れた神田小川町、当時の活況はもちろんありませんが、まだ何軒か(ヴィクトリア以外にも)スキー屋さんが残っていました。少し安心。昨シーズン、訪れたスキー場で滑走中にスキー靴が崩壊しました。プラスチックの老化です。買って15年は経っている靴ですので仕方ありません。まだ何足か残っているのですが、いずれも年数を経過していて、もう心配で使えません。年1回程度のスキーになっていますので、この10年ばかりは靴だけ持って行って板はレンタルで賄っていました。板は我慢できるとしても、貸し靴はどうも不安です。靴、欲しいなぁ~~!年1回ですので高いものは勿体ない、でも初心者向けを買ってはレンタル同様の不満が残りそう。その線引きが微妙です。最近のギア情報にも疎くなっていますので、情報集めと価格調査で何軒か、5~6軒は巡ったかな?「ニッピン」とか、懐かしい店も残っていました。履くと欲しくなってしまいますので、足入れは1回だけ。もう少し考えてみることにします。ナイキの運動靴(バーゲン)とゴルフボールを少し買って帰りました。9月にはまたゴルフコンペがあります。ゴルフ出費もスキー靴購入を押し留める大きな要因ですね。

2016年7月29日 (金)

「ロイヤル・ナイト」 英国王女の秘密の外出

高崎まで映画を観に行っていました。最初は地元シネコンでゴジラでも観ようかと思ったのですが、「ロイヤル・ナイト」が最終日と知って遠出することにしました。高崎の「シネマテーク高崎(http://takasaki-cc.jp/)」は”名画座”的な映画館です。一般シネコンでは上映しないマイナー邦画や、ハリウッド特撮大作ではない、欧州洋画を上映しています。3ヶ月に2回程度は行っていると思います。シニア割引で1,000円で観られるようになりましたが、高速料金が往復で2,000円以上かかります。いつもは夫婦2人で出かけますが、今日は家内が孫の世話に呼ばれ単独行、3,000円以上の高い映画鑑賞になってしまいます。

「ロイヤル・ナイト」は、ドイツが降伏文書に調印したヨーロッパ戦勝記念日の一夜を、その日初めて外出を許されたというエリザベス王女(現女王)の冒険を描いた作品です。「非公式の外出を許された」というのは事実だったようで、名作「ローマの休日」が生み出されるヒントにもなったと言われています。ほっこりと楽しく、そして切なく、奇をてらった演出もハプニングもない、定番王道で素朴に真っ直ぐにユーモアを交えて作り出された作品でした。深い感動のあったわけではありませんが、「こういった映画も欲しいよね」と思わせる、欧州映画らしい穏やかな暖かみを感じさせます。おどろおどろしい刹那の刺激ばかり追い求めるハリウッドCG大作ばかりがスケジュール表に並ぶシネコン、その裏ですっかり影の薄くなった感のある欧州映画ですが、その感性は健在でした。

Img083 Img084 

シネコン上映予定では、興味を惹かれる作品にあまり出会わないのですが、シネマテーク高崎での予告映像やチラシには困らされます。今回も惹かれる作品が数本。でもそうそう高速代払って出かけるわけにも参りません。その中の1本でも、地元シネコンでやって貰えれば助かるのですが・・・。その中で目に付いたチラシ、”あの”カトリーヌ・ドヌーブの主演”新作”です。懐かしいですね~。まだがんばってるンですね。72歳になるんですね。印象に残っているのはやはり「昼顔」です。最後に観た出演作はミュウミュウと共演した「輝ける女たち(2006年)」でしょうか?

Img085 

2016年7月 9日 (土)

「殿、利息でござる!」

地元のシネコンで観てきました。「殿、利息でござる!(http://tono-gozaru.jp/)」、特別な思い込みも期待もなく出かけたのですが、思いの外の収穫でした。もっとドタバタした喜劇かと思ったのですが、爆笑するシーンはありません。コメディ、というのとも違う。コメディタッチの部分もあるのですが、上品で抑えた声にならない笑いです。寧ろ、不覚にも泣かされてしまいました。

登場人物、それぞれにクセや思惑はあるのですが、基本的に皆が善人です。宿場の危機的状況を憂う十三郎に”宿場一の切れ者”篤平治が無責任なアイデアを披露する。発案者本人が実現性を否定する中、次々に賛同者が現れ、計画が進展していってしまいます。善人ばかりの登場人物の中、唯一の敵役は松田龍平演じる藩の役人、そしてその唯一の捻くれ者が絶対的な決定権を持つという不条理の中計画は頓挫します。そのにっちもさっちも行かなくなった状況の時、”ケチで冷徹な金貸し”と評判だった十三郎の父親浅野屋甚内と、その跡を継いだ十三郎の弟二代目甚内の、本当の姿が現れます。二代にわたる甚内親子の心根に打たれた仲間たちは更に計画を推し進め、代官をも感銘させ奔走させることになります。そして「遂に実現!」という寸前、またしても松田龍平の意地悪が立ちはだかるのですが、それはまた劇場でご覧ください。ゆるさと情の、”良き日本映画”を観た!との満足感が残りました。

映画館には舞台となった宮城県の実際の新聞「河北新報」版のチラシも置いてありました。裏面には県内の観光案内も載っています。このお話し、驚くことに「実話」が元となっているそうです。映画にも登場する龍泉院の和尚が書き残した古文書が残っているそうな。造り酒屋だった主人公穀田屋十三郎の家は、今でも酒屋として残り、子孫がその地に住み続けているそうです。うちの家内は宮城県出身、この映画に興味を持ったのもその流れからでした。今度の日曜日から2泊3日で、一緒に家内の実家の墓参りに出かけます。義父義母ともにすでに他界しています。舞台となった吉岡宿(黒川郡大和町)にも立ち寄りたいところですが、かなり内陸に食い込んだ場所にありますので「ついでに」とは無理そうです。それでも河北新報チラシは旅に持参、裏面観光情報は参考にさせて頂きたいと思っています。

Img065 

2016年6月12日 (日)

「インサイダーズ 内部者たち」

2月に観た「ベテラン」以来の韓国映画、「インサイダーズ(http://inside-men.com/)」を観てきました。韓国での封切りは昨年末、日本全国で上映終了した今頃になってようやく北関東の映画館にやってきました。しかも、高速使って車で50分の道のりの先にある映画館です。地元での上映はありません。当市と隣接市に計3館のシネコンがあるにも関わらず、”映画僻地”であることを痛感してしまいます。

主演はイ・ビョンホン、”あの”ゴシップのさ中に撮影された作品だそうです。政治の裏社会にはびこる”悪”の構図を、相変わらずの陰惨な暴力シーン満載で描きます。韓国って、暴力ヤクザ映画が好きですねぇ~。現職大統領が絡む、日本的には現実味の感じられないストーリーですが、実際に退任後の大統領が逮捕された歴史を持つ韓国ですので、韓国での捉えられ方はまた異なるのでしょうね。中盤以降、展開が停滞して眠気を誘う時間帯があります。にっちもさっちも行かなくなって、自滅的復讐劇で終わりそうな予感のはたらく頃、明快などんでん返しですっきりと解決してしまいます。ハッピーエンドは良いけれど、逆転の仕掛けが単純・簡単過ぎる気がします。この程度の策が通じる相手なのなら、もっと早く簡単に解決していたようにも思えます。その点は大人の事情のお約束と流すことができれば、それなりに痛快な作品だと思います。

2016年5月13日 (金)

「愛しき人生のつくりかた」

地元足利市に待望の映画館ができましたが、マイナー映画好きの私には観たい作品が少なく、やっぱり隣県高崎市通いは止まりません。今回はフランス映画、前回はイギリス映画、その前は中国、韓国映画でした。いずれも、足利でも隣接の太田市・佐野市のシネコンでも上映の無かった作品です。シネコンというものは、どうして近場で同じ作品(ハリウッド大作、アイドル主演作品等)ばかりを上映するのでしょう。若者はどうせ映画館に足を運びません。作品選択ではもう少し知恵を絞って貰いたいものです。

で、今回の作品は「愛しき人生のつくりかた」という題名でした。原題は「les souvenirs」、英語的には「土産物」です。フランス語でも同様の意味もあるようですが、この作品では「思い出」との意味で付けられたようです。http://itoshikijinsei.com/

Img047_2 Img048 

映画は、墓地での埋葬のシーンから始まります。夫に先立たれた老婦人とその孫の青年を中心に、親子三世代の日常生活と老いの現実を時にシリアスにまたコミカルに描いた作品でした。ひとり暮らしになった老母を心配しながらも同居には二の足を踏む3人の息子たち、定年を機に妻との関係がギクシャクしだした長男、日本とも共通する現実問題にも深刻になり過ぎない切り口で立ち入ります。祖母に寄り添う孫の存在がストーリーに優しさと安心感を添えています。突拍子もない事件も、隠された意外な過去もなく、普通に暮らす普通の人の人生が温かみを持って描かれます。いつから日本では、こういった映画が作られなく、また上映されなくなってしまったのか? 漫画原作やハリウッド特撮大作に頼り過ぎる、日本の制作側の怠慢や安易な功利主義もあるのでしょうが、最終的には観客の映画作品への望み、刹那な刺激ばかりを追い求める傾向が原因のように思えます。

高崎のこの映画館には、月に1回弱程度の頻度で訪れています。ここ最近での日本映画最高の出来!と思った「百円の恋」もこの映画館で観ました。話題大作ばかりが選ばれる”日本アカデミー賞”でも主演女優賞を得ています。さすがに無視できなかったのか、映画界にも良識が残っているということなのか、しかし受賞はしてもさほど話題にはならなかった気がします。勿体ない。高崎のこの映画館を訪れると、予告編やパンフレットで”観たい作品”がてんこ盛りになってしまいます。しかしそうそう高崎まで行ってられません。シニア割引で千円で観られるにしても、高速代が往復プラスされてしまいます。今回の作品も以前訪れた時の予告編で興味を惹かれました。

予告編で興味を惹かれた1番は、映画の舞台になったフランスの街”エトルタ”でした。印象深い景色の場所です。最初に知ったのはモーリス・ルブラン作「奇巌城」のモデルとしてでした。アルセーヌ・ルパン主人公の探偵小説ですね。ルパンに嵌ったのは小学生高学年時代でした。子供向けに易しくした小説だったのでしょうが、小学校の図書館にあったルブラン作品は全部読みました。中学生時代の初めには、一般向けのルパン作品、ホームズ作品、そしてエラリー・クイーンやアガサ・クリスティを読んでいました。その”奇巌城”印象で1981年の新婚旅行でもノルマンディーも行き先の候補に考えていたのですが、結局はノルマンディーは南部外れのモン・サン=ミシェルのみ、北フランスはサン・マロなどブルターシュ地方をメインに巡ることになりました。ちなみにその新婚旅行、リュック担いで「その日の宿はその日に探す」旅でした。前日にフランス地図を眺めて次の行き先を決めます。エトルタを訪れなかったのは心残りではありましたが、ブルターニュももちろん印象深い地域でした。下写真は左からエトルタ、モン・サン=ミシュル、サン・マロです。アナログ時代ですので新婚旅行での写真を探すのは大変、いずれも借りものです。

1024pxetretat_depuis_falaises_amont 1024pxlabbaye_du_montsaintmichel_vu 1024pxsaintmalo 

2016年3月16日 (水)

「家族はつらいよ」

山田洋次監督作品「家族はつらいよ(http://kazoku-tsuraiyo.jp/)」を観てきました。2013年の同監督作品「東京家族」と同じキャスト、家族としての設定も同じです。ただ、広島在住だった老夫婦を東京で長男と同居とし、息子・娘達の職業も変えてあります。制作発表当時は「続編?」との思いもあったのですが、題名の示す通り寅さんシリーズ風合いの作品と知りました。小津安二郎作品「東京物語」のリメイクとして作られた「東京家族」は、決して悪い作品ではなかったのですが、元祖を超えることはできません。しかし今回はホームゲームというか、山田洋次監督の土俵での作品でした。同じ俳優を使い、ほぼ同じ家族設定で全く異なる映画を作っています。「東京物語」では”縛り”というか何か硬さの感じられた演出も、今回は自由に愉快にまさに本領発揮の展開となっています。寅さんシリーズ同様、単純明快なストーリー展開、観客の想像通りに進んで行きます。それでも、「さすが!」というか随所に盛り込まれた笑い・ユーモアのタイミング・センスには脱帽します。前作では美容師(今回は税理士)の旦那役だった林家正蔵に「髪結いの亭主が!」との雑言を投げつけたり、父親・三平の持ちネタ「どうもスミマセン」を言わせたり、西村雅彦にフレームの奥の方でずっこけさせたり、本当に自然に笑わせられてしまいます。もちろんそれは監督の手腕なのですが、橋爪功や西村雅彦など芸達者を集めたキャスト構成も大きな要因です。流行りのアイドル系俳優が出ていませんので観客平均年齢は相当に高めでしたが、映画好きには、世代を超えて観て頂きたい作品ですね。不自然に話を捻らなくても、大規模なセットやCGを使わなくても、予想外のどんでん返しがなくても、監督・脚本家・役者のタッグで見応えのある楽しい作品の作れることを証明してくれました。シリーズ化はあるのでしょうか?

今回は地元のシネコンで観ることができました。http://www.unitedcinemas.jp/ashikaga/index.html 過去、近在では映画館の数の1番多かった足利市は、却ってそれ故にシネコン化が遅れ、映画館は次々に閉館、映画館の無い時代が長く続きました。2007年にようやく出来た「シネマックス足利」もわずか1年2か月で閉まってしまいました。そのシネマックスが改装され、今回ユナイテッド・シネマとして3月1日に蘇りました。嬉しいことではありますが、先行きには不安も持っています。大事なのは「映画館のあること」ではなく、「どんな作品を観ることができるか?」です。「シネマックス足利」のあった時代、近隣の4シネコンで、どこもかしこも”同じ作品”を上映していました。そしてその内の2つのシネコンが閉館しました。当然の経緯だと思います。今回の「ユナイデッド・シネマ アシコタウン足利」でも、同じような作品群が近日上映作品として紹介されています。これでは、私達夫婦の高崎通いは続いてしまいます。太田・佐野の2館との差別化はできるのか?付随のショッピングタウン規模では、太田・佐野に太刀打ちすることは不可能です。映画館独自の魅力で訴えなければ、「シネマックス足利」と同じ経路をたどってしまうように思います。「映像の街」を謳う足利市ですので、上映スケジュールのほんの1部で良いのですから、作品の質を重んじる作品選択を望みたいところです。

2016年2月25日 (木)

「最愛の子」

中国映画「最愛の子」を観てきました。http://www.bitters.co.jp/saiainoko/

年間20万人の子供が行方不明になるという中国で、実際の事件をモデルとして作られた映画です。3歳の時に行方不明になった息子を必死に探す両親、3年後に探し当てた息子は本当の両親の記憶がなく、育てた誘拐犯の妻を母と信じて慕っていた。その育ての母親も子供が誘拐されて連れてこられたとは知らず、引き離される現実を嘆く。子供は双方いずれにとっても「最愛の子」だった。この映画が世間を揺り動かし、売る側だけでなく子供を買う側にも重罪が課せられる刑法改正にも繋がったそうです。日本では考えられない、中国での人身売買の現実と子を失う親たちの痛み、そして被害者たちの藁をも掴む望みに付け込もうとする詐欺犯罪、病んだ社会構造をも描き出す悲痛な映画作品でした。主演のヴィッキー・チャオは、誘拐犯の妻にして誘拐された子供ポンポンの育ての親をノーメイクにて熱演しています。三国志時代を描いた映画「レッドクリフ」での姿も印象的でしたが、今回は全く異なる姿を現しています。サイトのCAST紹介で「少林サッカー」にも出演していたことを知り、その時の姿も思い浮かびました。痛みを伴う思いテーマを、客観的に現実直視で描いた秀作かと思います。

Img033 Img034_3 

この作品、北関東高速道を使って高崎まで観に行きました。シニア料金1,000円x2(家内と)で観ることができますが、往復の高速料金が2,000円少々上乗せされますので、結局は通常映画料金よりも高くなってしまいます。私の住む足利市には現在映画館が無く、至近の映画館は隣接する太田市と佐野市にあるシネコンになりますが、共にこの作品の上映予定はありません。この作品に限らず、私の観たい、興味を揺り動かす作品の上映は滅多にありません。来月3月には足利市でもシネコンができますが、そこでの上映予定作品も同じです。隣接する3市での3館にて、ほとんど同じ映画作品が上映されます。全く意味が判りません。”映像の街”を目指す足利市、市側の努力もあっての映画館誘致再開のようですが、3月以降も、私の高崎詣では続くことになりそうです。どうも、文化芸術に対する重きの置き方は、栃木県よりも群馬県の方が上のように感じてしまいます。今回「最愛の子」を観た高崎の「シネマテーク高崎」には、この14日にも韓国映画「ベテラン」を観に行きましたし、ここ暫くで観た印象に残る映画作品はいずれも、群馬県側で観た作品ばかりです。これから先でも、興味を感じる作品ばかりが上映予定ラインナップとして並んでいます。刹那の刺激や映像的派手さばかり目立つ無内容のハリウッド大作や、漫画焼き直しでアイドル系俳優出演の安易な日本映画ばかりが並ぶシネコンとは大違いです。今興味を感じているのは、「ヴィオレット」「美しき人生の作り方」「リップヴァンウィンクルの花嫁」等です。「リップ~」は黒木華主演の岩井俊二監督作品ですので、近隣シネコンでの上映も期待できますが、他はまず無理だろうなぁ~。3月下旬からは、恒例の「高崎映画祭」も始まります。ますます高速利用が増えそうです。

Img035 http://takasaki.film.gunma.jp/

2016年2月14日 (日)

「ベテラン」

韓国映画を観てきました。「ベテラン」、ファン・ジョンミン主演の刑事ものです。韓国での興行収入歴代第3位と聞いていましたし、クチコミ評価も良く期待していました。http://veteran-movie.jp/

ファン・ジョンミンの演じる刑事は正義感の強い熱血漢、権力の妨害に遭いながらも管轄外の事件にのめり込み、巨大財閥の悪に対抗します。ソウル中心繁華街・観光地である明洞で撮影したという爆走シーンは迫力があります。コミカルな面も盛り込み、軽快な娯楽作品となっています。”ナッツ・リターン事件”や汚職、兵役逃れ、権力抗争など、日本の大企業では考えられないような権力暴走にリアリティのある韓国財閥です。映画の中にも、実際の事件をモデルにしたシーンも盛り込まれているそうです。そういった巨大悪に怯むことなくぶち当たり粉砕するストーリーは、韓国一般人に喝采を受けたのでしょう。ただ日本人から見ると、あまりに映画的で漫画的でリアル感は感じられません。刑事を主演にした作品というと、「殺人の追憶」や「チェイサー」が思い浮かばれます。共に強烈な印象を受けた作品です。そういった作品に比べると重みはありません。一時的な爽快感、実生活での不満を受け流すストレス解消娯楽作品、といったところでしょうか?確かに面白い作品ではありますが、事前の期待に応えてくれるものではありませんでした。先の2作品が”事件”を描いた作品であるとすれば、「ベテラン」の描いているのはスーパーヒーロー的な刑事個人を描いた映画だと思います。日本映画で言えば「あぶない刑事」とか「HERO」とかの類になるのでしょうか。

韓国で興行収入を稼いだ作品でも、”韓流”の去った今では地元映画館での上映はありません。高速を使って高崎まで出かけました。シニア料金で観られるとしても、往復高速料金を加えると4DXよりも高くなってしまいます。しかし一般のシネコンでは、どうして何処も彼処も同じ作品ばかり上映するのでしょう。一般受けする娯楽大作をメインにするとしても、個々の映画館の色を出す選択も一部加えて欲しいものです。例え1日1回1週間限りの上映だとしても。現在シネコンの無い我が街、来月シネコンが復活します。一旦閉まった映画施設が他社経営で再始動します。「映像の街」を謳う市側の働きかけがあったようです。「映像の街」を名乗るなら、単に映画館を作るだけでなく、その後の運営にも工夫が欲しいと期待しています。隣県に良いお手本があるのですから。http://takasaki-cc.jp/

2016021416180000_2 2016021416160000 

ちなみに韓国での興行収入上位ですが、てっきり1位は「グエムル」だと思っていました。すでに更新されていたのですね。現在の1位は「鳴梁」、李舜臣将軍の活躍を描いた作品です。日本での公開はあったのだろうか?日本(秀吉軍)が悪役の作品ですので難しいのかな?2位は「国際市場で会いましょう」です。今回と同じファン・ジョンミン、オ・ダルス共演作です。3位が「ベテラン」、「グエムル」は4位に下がっていました。興行収入と作品の質とは必ずしも一致はしませんが、歴代順位をざっと見ると、日本でよりは一致しているようにも感じてしまいます。

より以前の記事一覧

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31