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2016年9月 8日 (木)

「暗殺」 久々のチョン・ジヒョン

家内が高校時代の友人と軽井沢に1泊旅行、東京発・仙台発の友人達とは新幹線車内で待ち合わせることになっています。それで高崎駅まで家内を送って行くことに。駅まで送ればお役目御免ですので、その後ひとりで映画を観に行くことにしました。高崎にはマイナー映画を上映する映画館があり、時折出かけています。前回、7月末に観たのが英国映画、その前が韓国映画、更に前がフランス映画でした。いずれも地元のシネコンでは上映の無い作品です。

家内を送って高崎駅で別れたのが10時前、映画上映は12時半で時間が空いてしまいます。事前に近くの美術館を調べたのですが折悪しくいずれも展示品入れ替えで休館中でした。で、ゴルフ練習場で時間を潰そうと考え予めキャディバッグを積んでおきました。ネットで調べた観音山中腹にあるゴルフ練習場へ。2016090610240000_2


料金は200球1,800円、1球9円でした。打席料込ですので、まそんなものでしょう。普段通う地元の練習場は150球1,100円ですが、打席料が別に300円必要です。私の場合は年会費10,000円也を払って会員になっていますので、その度毎の打席料は必要ありません。月に3回以上使うなら年会費の方が割安になります。私の練習場通い頻度から計算すると、1球7.7円程度になります。相当な頻度で通っていることになります。その割には一向に上達しませんが・・・。

さて、表題の映画のお話に戻ります。今回観たのは韓国映画「暗殺(http://www.ansatsu.info/index.html)」です。久々のチョン・ジヒョンです。来月には35歳になる彼女、今年初めには”母”になっていたそうです。初めて観たのは「イルマーレ」ですが、撮影当時はまだ19歳だったはず。その時の共演相手もイ・ジョンジェでした。

作品は日帝時代の朝鮮、チョン・ジヒョンの役は独立軍の狙撃手です。例によって日本軍人は冷酷非道に描かれます。個々のエピソードは創作と思われますが、日帝支配の事実がありますので、反日教育を受けた世代の韓国人は”実話”と理解してしまうかも知れません。そういった心配を抜きにアクション映画としてみればそれなりに面白い作品です。例によって日本人役も韓国人俳優が”日本語”を駆使(丸暗記?)して演じます。ハ・ジョンウが日本人将校に化けるシーンもあるのですが、日本人からみたら「それじゃバレるだろう!」という語学レベルです。日本人役の韓国俳優の日本語も含め、その韓国人日本語がリアル感を喪失させ、単なる創作アクション映画として観ることができます。さて、韓国人が観た場合はリアル反日映画になるのだろうか?そのあたりのニュアンスはちょっと捉え難いです。

チョン・ジヒョンはアクション俳優として十分に活躍しています。ハ・ジョンウはやたらかっこいいお得感のある役柄でした。イ・ジョンジェは密偵として日帝に寝返る悪役、15kgの減量で臨んだそうです。展開の早いアクション映画としては飽きさせませんが、他国の支配を受ける悲劇としては、日本軍人の貶め方の単純さ等でいささか軽過ぎて訴える力を持ちません。後々、心底に深く残る作品にはならないでしょう。

先月の日記で、オム・ジョンファ主演の作品を「外れの少ない」と書きましたが、対照的に「外れの多い」というか、波の大きいのがチョン・ジヒョン作品です。清新で切ない「イルマーレ」、愉快なのに泣かせる「猟奇的な彼女」という傑作を持つ一方、私個人として韓国ワースト映画のひとつにノミネートしてしまった「僕の彼女を紹介します」を始め、全然面白くなかった「デイジー」や小雪との共演で期待させたけれど滑稽でしかなかった「ラストブラッド」など、駄作も抱えています。作品数が少なく期待値の高くなってしまうせいもあるのかも知れませんが。評判の良い、見逃してしまった「10人の泥棒たち」はいつかDVDでも借りてきて観たいと思っています。

2016年8月29日 (月)

大谷の一発を見てしまいました!

先の土日を使って、1泊で東京に行ってきました。主目的は野球観戦ですが、まずは新宿で映画鑑賞、田舎では上映の無い韓国映画です。上京日に上映しているマイナー映画を探したのですが、運良く、ちょっと観たいと思っていたオム・ジョンファ主演の「ミスワイフ(http://misswife-movie.com/)」がシネマート新宿で上映中でした。以前時々訪れていたシネマート六本木は昨年に閉館、同じ系列でも新宿の方は初めてです。

「ミスワイフ」はオム・ジョンファ主演のコメディタッチの作品、という前知識だけしか持っていませんでした。ただ、今まで観たオム・ジョンファ主演作品には”外れが少ない”という印象を持っています。最初に彼女を知ったのは”歌手”としてでした。アルバムは何枚か持っています。2008年に出したアルバム「D・I・S・C・O」を最後に女優業に専念しています。地方都市に住んでいると韓国映画を観られる可能性は低く、オム・ジョンファ主演作に限れば2012年作の「ダンシング・クィーン」以来です。これもコメディ作品ですが楽しい作品でした。

「ミスワイフ」は、報酬次第でどんな依頼も受ける冷徹な敏腕弁護士(オム・ジョンファ)が天界?の手違いで交通事故死、そのミスを繕おうとする天界のイ所長の提案で「他人の生活を1か月続ける」ことになる、というなんとも奇想天外なお話です。ですので前半はドタバタ騒ぎの繰り返し、不合理な突っ込みどころ満載のストーリーです。漫画と思って深くは考えずに見過ごさなくてはなりません。後半は一転、情愛溢れるお話が展開、惹きつけられてしまいます。瞼が潤む、という状態を超えて、本当に水分が零れ落ちてしまいます。恥ずかしながら。うまいんですよ~!オム・ジョンファ。ちなみに相手役はあのソン・スンホンでした。久し振りに顔を見ました。入場券半券と一緒にソン・スンホンのブロマイドハガキを頂いてしまいました。ん~~ん、要らないなぁ。

映画館を後にして池袋駅へ。西武デパート8階のライオンズコーナーで帽子と当日先発の高橋光成のマフラータオルを購入。観戦仲間は大学時代の友人2人、ひとりは西武球場駅改札口で待ち合わせ、もうひとりとは所沢行き急行の先頭車両で会うはずでした。しかし出発時間になっても友人は現れず、仕方がないのでそのまま出発しました。ただ結果として同じ列車には乗っていたそうで、時間ぎりぎりだったので先頭車両まで行けなかったとのこと。ならメールくらいしろよ~!って、スマホを買って間もなく、まだ簡単にはメールが打てないとか。兎に角も、球場駅改札口で3人合流しました。

混み合う列に並び弁当(牛タン丼)を購入、いざ入場!というところで問題発生。先頭車両に間に合わなかった友人、球場で飲もうとワイン2本を持参してきました。「大丈夫かなぁ?」と心配したのですが的中、球場には「缶ビン持ち込み禁止」でした。「外部からの飲食物持ち込み禁止」というわけではなく、ゴミの分別と興奮した観客が投げたりする危険を考慮してのもののようです。大きな紙コップが用意されており、そこでワインを移し替えることになりました。ドタバタしたもののなんとか入場、席に着いたところでまた一難!ワイン移し替えで頭が混乱、買った弁当をそこに忘れてきてしまったとか。彼がこの日のトラブルを一身に背負っています。取りに戻って、弁当は無事回収しましたけど・・・。

やっとのこと、野球の試合のおなはしです。昨年は訪れていませんし、今年の前回は前橋(群馬)敷島球場でしたので西武プリンスドームは2年振りになります。内野席の前の方の席を取ることが多いのですが、今回は上段にしてみました。選手の顔は見えませんが、球場全体はよく見えます。飛球のラインもよく判り、試合を楽しむにはこっちの方が良いかも知れません。

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今回は試合自体をより楽しむためにカメラは持参しませんでした。ガラ系携帯ですので画像は悪いです。好調で11.5ゲーム差をひっくり返して前日に首位に立った日ハム、さすがに盛り上がっています。ライオンズホームですので、(西武ドームは3塁側がホーム)普段は1塁側かなりの部分までライオンズファンが浸食しているはずなのですが、この日はライオンズの旗がまばらにしか見えません。かなり日ハムファンが来場している様子です。その勢いに押されたのか?先発光成(コウナ)は冴えません。初回からランナーを背負います。ピンチになると四球を出す悪い癖もそのまま。”魔の六回”の再燃か?と心配したもののさにあらず、6回まで持ちませんでした・・・。5回は1死も取れずに降板、浅村の適時打で得たリードを忽ちに逆転されてしまいました。その後、押されながらもなんとか1点差で追いすがった9回、体調不良で前日から欠場の大谷がピンチヒッターで登場します。「お!ファンサービスか?」と西武ファンも盛り上がる中、綺麗なライナーでのホームランをあっさりと放たれてしまいました。ま、大谷ですから、負け試合でもなんか得した気分です。正直なところ。その後の中田のホームランは余計でしたが。

大谷の1発の段階で帰り支度を始めていたのですが、そのまま9回裏を見ずに退出、この日は臨時特急も早々と売り切れでしたので混み合う普通列車で帰りました。もちろん栃木までは帰れません。先頭車両遅刻の友人宅にお泊りです。

翌日曜日、最寄り駅で一緒に遅い朝食を取って友人と別れ、暫しの東京散策です。六本木国立新美術館で「ルノワール展」を、と思ったのですが、期日勘違いで前週で終了していました。迂闊なり。そんな中ふと思いついて小川町に行ってみることにしました。昔よく歩いた街です。浪人時代は神田古本屋街を。その後はスキー屋巡りで歩いた街です。学生時代はスキー人気全盛期でした。今は昔、もう地元ではスキー用品を扱う店は無くなっています。25~30年振り?位に訪れた神田小川町、当時の活況はもちろんありませんが、まだ何軒か(ヴィクトリア以外にも)スキー屋さんが残っていました。少し安心。昨シーズン、訪れたスキー場で滑走中にスキー靴が崩壊しました。プラスチックの老化です。買って15年は経っている靴ですので仕方ありません。まだ何足か残っているのですが、いずれも年数を経過していて、もう心配で使えません。年1回程度のスキーになっていますので、この10年ばかりは靴だけ持って行って板はレンタルで賄っていました。板は我慢できるとしても、貸し靴はどうも不安です。靴、欲しいなぁ~~!年1回ですので高いものは勿体ない、でも初心者向けを買ってはレンタル同様の不満が残りそう。その線引きが微妙です。最近のギア情報にも疎くなっていますので、情報集めと価格調査で何軒か、5~6軒は巡ったかな?「ニッピン」とか、懐かしい店も残っていました。履くと欲しくなってしまいますので、足入れは1回だけ。もう少し考えてみることにします。ナイキの運動靴(バーゲン)とゴルフボールを少し買って帰りました。9月にはまたゴルフコンペがあります。ゴルフ出費もスキー靴購入を押し留める大きな要因ですね。

2016年6月12日 (日)

「インサイダーズ 内部者たち」

2月に観た「ベテラン」以来の韓国映画、「インサイダーズ(http://inside-men.com/)」を観てきました。韓国での封切りは昨年末、日本全国で上映終了した今頃になってようやく北関東の映画館にやってきました。しかも、高速使って車で50分の道のりの先にある映画館です。地元での上映はありません。当市と隣接市に計3館のシネコンがあるにも関わらず、”映画僻地”であることを痛感してしまいます。

主演はイ・ビョンホン、”あの”ゴシップのさ中に撮影された作品だそうです。政治の裏社会にはびこる”悪”の構図を、相変わらずの陰惨な暴力シーン満載で描きます。韓国って、暴力ヤクザ映画が好きですねぇ~。現職大統領が絡む、日本的には現実味の感じられないストーリーですが、実際に退任後の大統領が逮捕された歴史を持つ韓国ですので、韓国での捉えられ方はまた異なるのでしょうね。中盤以降、展開が停滞して眠気を誘う時間帯があります。にっちもさっちも行かなくなって、自滅的復讐劇で終わりそうな予感のはたらく頃、明快などんでん返しですっきりと解決してしまいます。ハッピーエンドは良いけれど、逆転の仕掛けが単純・簡単過ぎる気がします。この程度の策が通じる相手なのなら、もっと早く簡単に解決していたようにも思えます。その点は大人の事情のお約束と流すことができれば、それなりに痛快な作品だと思います。

2016年2月14日 (日)

「ベテラン」

韓国映画を観てきました。「ベテラン」、ファン・ジョンミン主演の刑事ものです。韓国での興行収入歴代第3位と聞いていましたし、クチコミ評価も良く期待していました。http://veteran-movie.jp/

ファン・ジョンミンの演じる刑事は正義感の強い熱血漢、権力の妨害に遭いながらも管轄外の事件にのめり込み、巨大財閥の悪に対抗します。ソウル中心繁華街・観光地である明洞で撮影したという爆走シーンは迫力があります。コミカルな面も盛り込み、軽快な娯楽作品となっています。”ナッツ・リターン事件”や汚職、兵役逃れ、権力抗争など、日本の大企業では考えられないような権力暴走にリアリティのある韓国財閥です。映画の中にも、実際の事件をモデルにしたシーンも盛り込まれているそうです。そういった巨大悪に怯むことなくぶち当たり粉砕するストーリーは、韓国一般人に喝采を受けたのでしょう。ただ日本人から見ると、あまりに映画的で漫画的でリアル感は感じられません。刑事を主演にした作品というと、「殺人の追憶」や「チェイサー」が思い浮かばれます。共に強烈な印象を受けた作品です。そういった作品に比べると重みはありません。一時的な爽快感、実生活での不満を受け流すストレス解消娯楽作品、といったところでしょうか?確かに面白い作品ではありますが、事前の期待に応えてくれるものではありませんでした。先の2作品が”事件”を描いた作品であるとすれば、「ベテラン」の描いているのはスーパーヒーロー的な刑事個人を描いた映画だと思います。日本映画で言えば「あぶない刑事」とか「HERO」とかの類になるのでしょうか。

韓国で興行収入を稼いだ作品でも、”韓流”の去った今では地元映画館での上映はありません。高速を使って高崎まで出かけました。シニア料金で観られるとしても、往復高速料金を加えると4DXよりも高くなってしまいます。しかし一般のシネコンでは、どうして何処も彼処も同じ作品ばかり上映するのでしょう。一般受けする娯楽大作をメインにするとしても、個々の映画館の色を出す選択も一部加えて欲しいものです。例え1日1回1週間限りの上映だとしても。現在シネコンの無い我が街、来月シネコンが復活します。一旦閉まった映画施設が他社経営で再始動します。「映像の街」を謳う市側の働きかけがあったようです。「映像の街」を名乗るなら、単に映画館を作るだけでなく、その後の運営にも工夫が欲しいと期待しています。隣県に良いお手本があるのですから。http://takasaki-cc.jp/

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ちなみに韓国での興行収入上位ですが、てっきり1位は「グエムル」だと思っていました。すでに更新されていたのですね。現在の1位は「鳴梁」、李舜臣将軍の活躍を描いた作品です。日本での公開はあったのだろうか?日本(秀吉軍)が悪役の作品ですので難しいのかな?2位は「国際市場で会いましょう」です。今回と同じファン・ジョンミン、オ・ダルス共演作です。3位が「ベテラン」、「グエムル」は4位に下がっていました。興行収入と作品の質とは必ずしも一致はしませんが、歴代順位をざっと見ると、日本でよりは一致しているようにも感じてしまいます。

2016年1月28日 (木)

「メモリーズ 追憶の剣」

久々のビョンホン映画です。家内と観に行ってきました。 http://memories-movie.com/

飽きました。長過ぎます。あと30分は短縮できる内容だったと思います。リアル感なし、必然性なしの脚本、「王になった男」以来の韓国時代劇出演ですので期待したのですが残念でした。ラストシーンを見て初めて、「ああ、このシーンを撮りたくて作った作品なんだな」と納得しました。ここだけが気持ちを揺さぶりました。ひとつのアイデアを思い付き、そのシーンに導くためにそこまでのストーリーを無理やり作り出した作品だったんだな、と勝手に納得しています。その無理やりさがあからさまですし陳腐です。ビョンホンとチョン・ドヨンの演技力に頼るにも限界があります。寧ろ、この陳腐な脚本で真剣に演じる2人が惨めにも滑稽にも見えてきてしまいました。不自然なワイヤーアクションはチャン・ツィイー、ミシェル・ヨー共演の「グリーン・デスティニー」を思い出させますが、ファンタジー的な要素を盛り込み映像美を追求した前作に比べ、今作では不自然さばかりが記憶に残りました。

2016年1月 9日 (土)

東京遊歩 渋谷・市ヶ谷・浅草

7日、上京してきました。家内と2人での東京小旅行です。

浅草から地下鉄で渋谷へ。学生時代を過ごした街ですが、当時とはかなり様変わりしています。東急文化会館も、通った居酒屋もなくなり、井之頭線の駅も全く面影を残していません。今回の渋谷での目的はBunkamura ザ・ミュージアムでの展覧会「ラファエル前派展」でした。当初、三菱一号館美術館での「プラド美術館展」と迷ったのですが、家内に聞いてみたらこちらの方が見たいとのことで決めました。

東急本店に向かう道玄坂は、店舗は入れ替わっているものの、街並みには懐かしさを感じます。久々でぶんか村の位置を忘れデパートインフォメーションで確認しました。入館料は1,500円、平日でもあり空いています。でもきっと、これが印象派美術展でしたら平日でも混みあっているのでしょうね。”ラファエル前派”という名称、いったいどの程度の知名度なのでしょう? ラファエル前派は1848年英国にて、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウイリアム・ホルマン・ハント、ジョン・エヴァレット・ミレイによって結成されました。”古典回帰”ではありますが、これも革新路線です。アカデミーの硬質化した古典偏重に対し、ラファエロ以前の初期ルネッサンスの自由な気風を模範としました。ですので、古典的な画題を選びながらも宗教画等でのアカデミックな縛りからは離れています。後の象徴主義に影響を与えています。今回の展示での目玉は、ロセッティの「パルミフェラ」とバーン=ジョーンズの「レバノンの花嫁」でしょうか。何年か前にもラファエル前派の展覧会を観た記憶がありますが、今回はリバプール国立美術館所蔵品による展示となっています。水彩・グアッシュによる大作には驚かされます。見応えのある展覧会でした。

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ドーバー海峡での隔たりのせいでしょうか、気候・民族特質なのでしょうか?英国とフランスとの違いは興味深いです。ターナー、コンスタブル等の英国絵画は、普仏戦争を避けて避難していたフランス人画家たちに刺激を与え、印象派への道を開きましたが、英国では印象派は興隆しません。アカデミズムへの抵抗も、破壊ではなくアカデミズム以前への古典回帰として進展しました。日本人は印象派への偏重が甚だしく、画家の人気・知名度も偏っています。空いていてゆっくり観られてありがたいのですが、こういった充実した展覧会があまり話題にならないのは寂しい気がします。

ラファエル前派には学生時代の思い出もあります。大学時代美術部に属していました。部内で”ゼミ”と呼ばれるグループを作ることができ、私も2年次に現代美術をテーマとするゼミを主宰しました。その3期目、私のゼミに数人の1年生女子が入ってきました。彼女たちの趣味が”ラファエル前派”でした。当時私が、羽の生えた人物像とか、少々象徴主義的な作品を描いていたせいのようです。私自身にラファエル前派的な思考はなく、多少の美術史的知識を持つのみでしたので、にわか勉強する必要に迫られたものでした。今ならネットで簡単に知識を得られますけどね。

今回の上京は、ある韓国料理店の閉店がその切欠となっています。7日がその最終日です。店名は「オンマ家」、市ヶ谷に店はあります。この店自体は1年少々の期間でしかないと思いますが、それ以前は浅草・上野に2店を構えた「四季の里」、そして最初は新大久保の「チャンナムチプ」でした。「チャンナムチプ」は韓流以前からの、韓国料理がマイナーだった時代での隠れた名店でした。NHKラジオ講座や「るるぶ」等での韓国料理記事で、一部の韓国好きには有名になった八田氏が「韓国の父・母」と慕う陽気な名物オーナーの店です。新大久保「チャンナムチプ」は知人だか親戚?だかの方が経営を引き継いで、現在でも営業しています。やはり歳を経るとお国が恋しくなるのでしょうか。最終日ですので、家内が注文した参鶏湯も冷麺もすでに終了、結局スンドゥップチゲとカルビチムを食べてきました。名物オーナーとのお別れは寂しいですが、「チャンナムチプ」引退も帰国が理由でしたので、再々日本デビューを期待する声もあるようです。

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市ヶ谷から浅草に移動、帰途、浅草寺にお参りすることにしました。正月の混雑も一段落、”普通に”混んでいました。

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浅草ではもう1か所立ち寄りたい場所がありました。昨年秋にオープンしたばかりの、全国アンテナショップの集合体「まるごとにっぽん」です。浅草六区に新しくできたビルの1~4階に参加自治体の名産物が並び、それぞれの街の紹介等のコーナーが設けられています。5階から上はホテルとなっています。足利市も参加、小さな紹介ブースの他、ココファームのワインや一茶庵の蕎麦、月星のジャム等の販売も行われています。紹介ブースは簡素で寂しいですが、裏に一応、渡良瀬橋のパンフレットも置いてありました。ただ何故か、紹介ビデオの夕日は中橋でした・・・?今週末11日までは、とちおとめ等の販売や八木節パフォーマンスも行われるそうです。

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2015年7月 9日 (木)

「国際市場で逢いましょう」

気になっていた映画、やっと観ることができました。韓国での公開が昨年の12月、東京では今年の5月でした。7月になってようやく北関東にまで回ってきました。それでも近隣のシネコンでは上映予定がなく、高速道使ってのドライブ鑑賞です。

「国際市場で逢いましょう」、ファン・ジョンミン、キム・ユンジン主演の作品です。キム・ユンジンをスクリーンで見るのは久し振り、多分「シュリ」以来だと思います。「シュリ」も近場での上映がなく、確か小山市まで観に行ったと思います。その後”韓流”ブームで韓国映画の上映機会が増えましたが、ブームに便乗した粗悪な作品の上映も多く、寧ろ映画ファンには悪いイメージを植え付けてしまったかも知れません。”韓流”も去り、落ち着きを取り戻しました。また遠出しないと観られない状況に戻りましたが、寧ろこれで良かったのだと思います。近場で面白くない作品を見せられるよりは。

作品は、朝鮮戦争時から現代までの、苦難と貧困の中を生き抜いた1人の韓国人の生き様を描いています。朝鮮戦争の混乱の中生き別れた父親にチョン・ジニョンを配し、短い出演時間ながら存在感を示していました。老いたファン・ジョンミンの特殊メークはやや不自然ではありましたが、相変わらずの役作り、安定しています。世に出る前の、現代自動車創設者の鄭周永遠(チョン・ジュヨン)やデザイナーのアンドレ・キムを登場させるサービス精神も発揮、「三丁目の夕日」的なノスタルジー色も加味していますが、作品内容は「三丁目~」とは大きく異なる壮絶さを含んでいます。朝鮮半島そのものが戦場になった朝鮮戦争は、島全体が戦場になった沖縄同様ですが、同民族同士での争いですので更に悲惨さが増幅しているのかも知れません。西ドイツ鉱山への出稼ぎ、ベトナム派兵、そして生き別れた妹との再会と、卑怯なほどに涙腺を攻撃してきます。しかも、「恋人が実は兄弟」「難病に侵されて」とかの韓流お涙頂戴での安易脚本ではなく、それぞれが韓国庶民が実際に経験してきた重い現実です。攻撃は真正面から受け入れざるを得ません。全体的に無駄なく的確に描かれた作品だと思います。

日本公開以前から、韓国での歴代上位の観客動員を果たしながら、賛否両論ある作品と聞いていました。当時の政府・政策への批判精神の欠如、というのが”否”派の論点のようです。確かに、「光州5・18」や「シルミド」のような批判的描写は少ないように思います。韓国では、映画世界でも政権批判のタブー視された時代がありました。それが解禁され、過去に遡り光州事件等の闇を告発する映画作品が作られるようになりました。その意識での”否”批判なのでしょうが、韓国でも「戦後は終わった」との段階に入ったのかも知れません。この作品では、政治的批判精神は敢えて付け加える必要は無かったように思われます。意図的な誘導を含ませてしまっては、作品の自然な流れを阻害してしまいます。その意味では、”映画作品として”成熟したものなのかも知れません。

ps.庭の朝顔が咲きました。ゴーヤの花も。

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2014年10月19日 (日)

「泣く男」「ハナ」

「泣く男」 http://nakuotoko.jp/

興味を感じる、観てみたいと思うような韓国映画は中々地元では上映されません。しかも、東京でも近県でも、上映期間が短いのでついつい見逃してしまいます。「泣く男」は、すでに醒めてしまった韓流ではありますが、嘗て四天王と言われたチャン・ドンゴン主役故なのか、近場で上映されました。特にマークしていた作品ではなかったのですが、機会を逃さず観てきました。

韓国はこの手の銃撃アクション映画が好きですね。また得意でもあります。日本作品では少ないジャンルですし、日本映画でやると現実味が感じられないと思います。もちろん韓国でも現実離れしたストーリーではありますが、外国作品ですとあまり考えずに見られます。チャン・ドンゴンは「ブラザーフッド」で主演男優賞を取っていますが、あの時の演技はあまりピンときませんでした。気持ちが入り過ぎて空回りした風に見えて。あれから10年、さすがに演技は重厚になりました。「アジョシ」を撮ったイ・ジョンボム監督作品ですが、奇しくも、「ブラザーフッド」で共演したウォンビンと、同じ監督の下で似たような役柄を演じることになりました。話の展開は、何故冷酷な殺し屋が何の関係もない女性を助けるために命をかけるのか、やや説明に無理があるような気もしますが、子役が可愛くて無理を通しても良い気になります。元々主役はストーリーよりもアクションです。その点では飽きさせません。

「ハナ ~奇跡の46日間~」 http://hana46.jp/

DVD視聴です。借りてきて観た「永遠の0」が映像不良で、代わりに無料で借りられるとのことで借りてきました。1991年の4月から5月にかけて、千葉市で開催された世界卓球選手権での実話を基に作られた作品です。ハ・ジウォンとペ・ドゥナとのW主演作品です。ベルリンの壁の崩壊が1989年、1991年はワルシャワ条約機構が解体(7月)、韓国・北朝鮮の同時国連加盟(9月)、ソヴィエト連邦崩壊(12月)という激動の時代でした。その気運の中で実現した南北統一チームです。東西ドイツ、ヴェトナム統一後も分断のまま残された朝鮮半島の、その統一の気運の一番盛り上がった時期とも言われます。実際には束の間の期待に終わり、統一チームで戦った選手たちも、2年後の世界卓球選手権(スウェーデン・イェテボリ)を最後に再開の機会を逸しているとか。(今でもそうですが)当時最強と言われた中国チームを破ったという、都合の良すぎる展開を実話として持っています。分断の現実と合わせて、作品の出来不出来を論ずる位置にありません。実話の重みに頼りすぎる一面はあるかも知れませんが、卓球実技や北朝鮮訛り等、役者たちは苦労したようです。ペ・ドゥナの魅力が十分に発揮できていない気がしてその点は残念ですが、観て損のない作品だと思います。

2014年10月 9日 (木)

上京してきました。

知人から案内はがきを頂き、家内を連れて東京での個展を拝見しに行くことになりました。久々折角の上京ですので、イベントを2つばかり追加、限られた時間を有効に楽しんできました。

追加イベントの最初は、六本木国立新美術館(http://www.nact.jp/)での「オルセー美術館展」です。印象派作品の展覧会は殺人的に混む日本ですので、興味ある展示会でも敬遠してきたのですが、平日でも時間の取れる身になりました。平日でも油断は大敵と、開館時間までには到着するよう予定を組み、到着は10時の開館直後でした。チケット購入も入場もスムーズでしたが、館内はすでに混み合っていました。それでもまぁ、鑑賞にさほど支障のない程度の混み具合です。退場後には、入り口は入場規制、登りエスカレーターもチケット売り場も長蛇の列になっていました。平日でも・・・。

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今回の目玉はマネの「笛を吹く少年」と、モネの「草上の昼食」です。共に有名な作品ですが、特に「笛を吹く少年」は日本でよく知られていますね。この2作品が図録の表紙・裏表紙になっています。展示はフレデリック・バジールの作品で始まります。あまり知らなかった作家ですが、モネ、ルノワールと親しく、ピサロ、セザンヌと引き合わせた人物だったそうです。普仏戦争に従軍、29歳で早世しました。

続いてレアリスム、歴史画、肖像、静物等のテーマにそってそれぞれの作品が展示されていました。この「レアリスム」、クールベやトロワイヨン、そしてミレー等のバルビゾン派などを指す言葉ですが、時として誤って理解されている場合があります。この時代のものは技法的に「そっくり描く」との意味ではありません。画題・テーマでの「レアリスム」です。それ以前では絵画は王侯貴族・富裕層のためのもの、画題も神話や自身・身内の肖像画等で、自身の邸宅を飾る装飾品としての意味を持ちました。それが「レアリスム」では、名もなき庶民の日常生活、現実を描くことに意味を持たせました。「印象派」は主に技法的な改革です。「レアリスム」の内容改革なくしては登場しなかったはずのものです。

印象派成立に影響を与えた要因がもう2つあります。普仏戦争と「ジャポニスム」です。普仏戦争ではモネ、ピサロをはじめとする画家達が戦乱を避けロンドンに退避、ターナーやコンスタブル等の瑞々しい”大気”を描く風景画に出会い、またパリ万博では日本の浮世絵の平面的で鮮やかな色彩に衝撃を受けます。今回の展示にも、ジャポニスム作品としてマネの「夫人と団扇」が展示されていました。

上記は美術界内部での変革ですが、その変化を推し進めた社会的要因がその前提としてありました。産業の近代化に伴う中産階級の興隆です。先にも書きましたが、それ以前の美術界は富裕層の独占の場でした。画家はパトロンの注文に応じ作品を制作、「手間賃」として収入を得ます。絵画作品は大きく見れば”家具の一部”でもあったのです。それがナポレン3世の後押しでパリ大改革を推し進めたオスマン市長の時代から大きく変化します。初めてのブティック(デパート)が登場し、交通網や上下水道等の工事でパリは美しく生まれ変わり、また大規模工事による雇用創出で労働者階級の購買力も向上、現在のような消費経済が始まります。余裕のできた中小ブルジョアは、手の届く範囲での美術品購入も行うようになり、画商が生まれ、続いて美術館も成立するようになります。今まで王侯貴族の邸宅内で一部特権階級のみの鑑賞具だった絵画が、大衆に解放されたのです。エミール・ゾラの「居酒屋」でも、ルーブル美術館に繰り出す様子が描かれています。

・・・なことを考えながら、「オルセー美術館展」を鑑賞してきました。期待したほどの作品数がなく、少々物足りない思いもありましたが、楽しむことはできました。何点かは記憶に残っていました。20代初めの訪欧時に、観ています。当時はまだオルセー美術館は無く(1986年開館)、ジュ・ド・ポーム美術館(印象派美術館)での展示でした。オルセーは元々は、パリ万国博覧会に合わせて作られた、オルセー駅の駅舎でした。

六本木から市谷に移動、昼食は韓国料理です。店名は「DONまつり(http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130904/13171809/)」、この名この場所では初めてですが、通算では何度も訪れた店です。新大久保から浅草、上野、何度も引っ越し店名も変えてきました。あまり店名には拘りがないようです。韓国料理本や韓国語講座で活躍している八田氏推薦で、彼が「韓国の父母」と敬愛するご夫婦の経営する店です。今回はランチメニュー、私はスンドゥップチゲ、家内は水冷麺の注文です。味は相変わらず、スンドゥップチゲはかなり辛いですが、旨みの出た辛さです。生卵とご飯で辛さを調節します。家内の冷麺も少し味見させて頂きました。こちらもお奨めです。ランチはほどほどの入りでした。夜はどうなのだろう?韓流も去り経営も大変でしょうが、何とか同じ場所で続けて頂きたいと思っています。P2014_1008_130900_2

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この日最後の目的地は、当初の上京目的、知人の版画個展です。場所は本郷東大赤門斜め前にある画廊「愚怜(グレイ:http://gallerygray.aikotoba.jp/)」です。知人とは油絵を描いていた若き頃に知り合い、美大に在籍していた彼女はそのまま版画家となり、現在は版画協会・国画会会員として活躍しています。小さい作品が多いのですが、版画十数点を所有しています。しばらく増えていなかったのですが、今回も小品を買わせて頂きました。知人の変わらぬ活動を見るに、美術に燃えていた当時の思いも少しは甦ります。久々絵筆を取ってみたい気持ちにも・・・・。

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2014年9月 7日 (日)

「チング 永遠の絆」

韓国での現代は「チング2(친구 2)」、2001年に韓国で公開された「チング」の続編です。前作は、TVでの人気美青年スターだったチャン・ドンゴンの、本格俳優としての立場を確立させた作品だと思います。2005年の訪韓では、釜山でのロケ地の一部(映画館・歩道橋・ドンスの刺された場所)を周りました。

評価の高かった作品の続編は、得てして凡作になりがちです。設定にも脚本にも、その苦労・工夫の跡が感じられます。その分意識し過ぎて雑然としてしまったようにも思いました。前作の、素直に沁み入るノスタルジックな感傷はありません。前作は、子供の時からの友人サンテクの、堅気の世界からの視線で描かれた部分がありますが、今回はすっかりやくざ映画です。実感として同調できる部分がなく、作り物の娯楽作品としてしか観ることができません。しかし韓国はやくざ作品が好きですね。昔の日本の、東映任侠映画人気のようなものなのでしょうか?

作品は、前作の殺人教唆の罪で服役していたジュンソクの出所に始まる、釜山の覇権を巡ってのやくざ抗争ですが、そこにジュンソクの父親時代の抗争と、ドンスの子ソンフンの今と過去とが交差して描かれます。3人それぞれを主人公として、そして過去と現在を行き来する構成ですので少々複雑になります。父親チョルジュの部分は不要に感じました。相変わらずの、日本人役に日本人俳優を使わない、たどたどしい日本語にも違和感を覚えます。ソンフンの生い立ちにも感情移入できません。単なる乱暴者としか映りません。内部の、人間としての痛みや困惑を垣間見ることができないのです。ドンスを演じたチャン・ドンゴンと違って。

ただ1個の作品としては、悪い部類ではないと思います。しかし秀作とも言えません。背負った作品が重すぎたのかも知れません。http://ching-kizuna.com/

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